遼豪語！魔の１８番「嫌いじゃない」…日本シリーズ

◆報知新聞社主催　男子プロゴルフツアー今季最終戦　日本シリーズＪＴカップ（４日開幕、東京よみうりＣＣ、パー７０）　４日間の熱戦の火ぶたが切って落とされる。石川遼（１７）＝パナソニック＝は開幕前日の３日、プロアマ戦に出場。名物ホールの１８番（パー３、２２７ヤード）攻略に意欲をみなぎらせた。さらに中継する日テレが１８番に“新兵器”となる弾道測定器を設置することが分かった。見せ場の１８番で勝負強さを発揮し、日本一をつかむ。

　過去、数々のドラマを生んできたパー３の難関ホール。その１８番攻略に石川が目を輝かせた。「苦手なイメージもないし嫌いじゃない。（去年は）初日がダボだったけど、最後にバーディーが取れたので、いいイメージ。今年もいい形で終われれば？　そうですね」最終日に、ただ一人バーディーフィニッシュを決めたことは、１年たった今も鮮明に覚えている。

　１８番と言えば、今年の「ワールドレディスチャンピオンシップ・サロンパスカップ」（報知新聞社後援）で、福嶋晃子と韓国の申智愛が５度にわたるプレーオフの激闘を繰り広げたことが記憶に新しいが、過去、様々なドラマを演出してきた東京よみうりＣＣの名物ホールだ。中継する日本テレビも１８番を含めたティーグラウンドで「プロトレーサー」という弾道解析ＣＧシステムを設置することを決めた。

　この日の朝にスウェーデンから空輸されてきた“新兵器”は、日本のゴルフ中継で使用されるのは２度目。テレビ中継で使われる場合、基本的にはドライバーの弾道をＣＧ解析することに使用されることが大半なため、ショートホールに設置されるのは異例。日本のゴルフ中継史上では初の試み。さらに日テレは、石川を３台のカメラで徹底密着マークする。

「勝負のカギとなるホール。ピンを直接狙う選手もいれば安全策を取る選手もいる。勝負のアヤを見ていただきたい」と日テレ関係者。１８番ホール脇にある、リーダーズボードでも解析弾道が映し出され、ギャラリーも別の“視点”からプロの駆け引きを楽しむことができるという。

　この日、プロアマ戦に出場した石川。「フック（ライン）で出だしから左に行って外していた」の悩みを解消するため、ラウンド終了後の練習グリーンで試したヘッド形状などは同モデルで、ライ角を１・５度フラットにしたニューパターの投入を決断した。

　「調子がいいだけに、気持ちも落ち着いているし、集中してできると思う。今週もうまくなるようにできると思うし、そのためにも初日から上で戦って、すごい緊張感のなかでいいスイングができるかに挑戦したい」１８番を制せば、国内メジャー初制覇も見えてくる。

　◆弾道解析ＣＧシステム　今回日テレが導入した「プロトレーサー」は、今季の米ツアー９試合で使用された実績を持つ。４大メジャー大会でもマスターズ、全米オープン、全米プロで導入された。海外ツアーを通じても、ショートホールに設置されるのは異例。レンタル料は５００万円前後と見られている。スウェーデン出身のシステム担当者であるダニエル・フォルスクレン氏によれば、今後は日本でも野球の弾道解析などにも使用される可能性があるという。

参照元：スポーツ報知