内海「上原の後継者」へ３つの誓い…１億円プレーヤー仲間入り

巨人・内海哲也投手（２６）が２日、東京・大手町の球団事務所で契約更改し、３６００万円増の１億２０００万円（推定）で一発サインした。自身初の大台突破に「満足です」と笑顔の左腕。ファンからも、チームメートからも認められるエースとなることを宣言。２年ぶりの開幕投手に名乗りを上げ、チーム１０年ぶりの２０勝投手を目指すことも宣言した。さらに、原監督が指揮を執るワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）日本代表入りも熱望。シーズンを通して活躍するつもりだ。

　自然と笑みがこぼれた。内海は満足そうな表情で会見の席に着いた。「後半戦は四球が多くて自分の中でイメージが悪かったけど、評価していただけました。夢の大台にいきました」今季１２勝８敗、防御率も自己最高の２・７３という成績を残したが、夏場以降、制球に苦しんだことが不安材料と考えていた。しかし、３年連続の２ケタ勝利、「メーク・レジェンド」の原動力となった対阪神戦４勝（１敗）を高評価され、迷うことなく判を押した。

　１億円プレーヤーの仲間入りを果たし、自覚と責任感が一層、強くなった。「僕が試合に出たら、ファンのみなさんが安心感を持てるというか、『こいつなら勝てる』という投手になりたい。エースとしての存在感を出していきたいです」ＦＡ移籍でチームを去る上原の後継者となる強い決意を口にした。

　チームメートからも認めてもらうために、当然、数字にもこだわる。「２０勝したいです。勝てる投手になりたい」ここ３年、１２勝、１４勝、１２勝と安定した白星を挙げてきた。しかし、１９９９年に当時ルーキーの上原が到達した大台をマークしてこそ、胸を張って、エースと名乗ることができると考えている。

　そのためにも、首脳陣の信頼を勝ち取り、２年ぶりの大役―開幕投手をつかみたい。前回は横浜相手に勝利投手になった。「開幕投手というのは狙っていきたいと思います。生え抜きの投手が少ないので、グライシンガーに頼るのではなく、僕が（投手陣の）先頭を切ってやっていきたい」前日（１日）に来季に向けての自主トレを開始したばかり。今季、最多勝のタイトルを獲得した助っ人右腕との争いを想定し、早めに仕上げ、２月１日のキャンプインから猛アピールしていく。

　原監督が指揮を執る侍ジャパン入りも熱望している。「大舞台で自分の力を試してみたいというのはあります。ＷＢＣには出たいです。出していただけるなら、ボールボーイでも何でもいいです」ジョーク交じりに話したが、内に秘める思いは真剣そのもの。名実ともに巨人のエースになれるかどうか、内海にとって勝負の１年になる。

　◆最近のＧ２０勝投手　７０年代以降、巨人で２０勝以上をマークしたのは、１９７２年に堀内恒夫が２６勝（９敗）、翌７３年に高橋一三が２３勝（１３敗）を挙げ、それぞれ優勝に貢献。Ｖ９を牽引（けんいん）した。その後は８１年に江川卓が２０勝（６敗）、８９年、９０年には斎藤雅樹が２年連続でマークしている（８９年２０勝７敗、９０年２０勝５敗）。チーム最後の２０勝は９９年、ルーキーの上原浩治が記録（２０勝４敗）しており、来季、内海は巨人の左腕では３６年ぶりの大台を目指すことになる。

参照元：スポーツ報知