開始３０秒で決める！伊調姉妹、速攻で「金」…女子レスリング

レスリング女子の伊調姉妹、４８キロ級の千春（２６）と６３キロ級の馨（２４）＝ともに綜合警備保障＝が“速攻シスターズ”に変身して北京五輪のダブル金メダルを狙う。全日本チームは９日、東京・ナショナルトレセンでの合宿を公開。五輪史上初の快挙を狙う姉妹は、ラスト３０秒でポイントを奪うこれまでのスタイルから、序盤の３０秒で勝負を決める攻撃にモデルチェンジしたことを明かした。

　五輪開幕まで、あと１か月。昨秋の世界選手権も２人で頂点を制した最強姉妹が、“モデルチェンジ”に乗り出していることを明かした。開始３０秒で試合を決めるという超攻撃的スタイルへの変身だ。

　レスリングの１ピリオドは２分間。世界トップレベルの２人はこれまで、敵の出方を慎重に見極めながらラスト３０秒でポイントを取りに行くことが多かった。相手を疲れさせる狙いもあったが、どちらかといえば受け身の戦術だ。

　しかし、ピリオドの終盤となると実際は「息が上がり、腕もパンパン」（千春）の状態。外国勢のレベルアップも著しく、想定通りに試合を進めることは難しくなってきた。相手の攻撃を受け続けていると、体全体に負担もかかる。

　ならば、自分から先に―。千春は「どんどん足を動かし、最初の３０秒でポイントを取ってしまう」戦術への転換を決意し、馨とともに取り組み始めた。理想は３―０。「３点取れば相手はやる気をなくす」からだ。

　グラウンド技のアンクルホールドに取り組むなど攻撃の幅も広がっている。以前は１―０で満足していた馨だが「いまはポイントを取るのが面白い」。海外勢には“後半３０秒”のイメージが強いだけに「“前半３０秒”の新しい自分を見せる」と言い放つ。前回アテネ大会は姉・千春が悔しい銀メダル。史上初の姉妹五輪制覇は、新戦法で成し遂げる。

参照元：スポーツ報知