谷、決意の“子離れ”でＶ３！…柔道女子

ＹＡＷＡＲＡママが決意の“子離れ”で金に挑む。北京五輪の柔道女子４８キロ級代表・谷亮子（３２）＝トヨタ自動車＝が７日、チームとともに北京市内での練習を公開。会見では、この日北京入りした長男・佳亮くん（２）と、試合が終わるまで会わない予定であることを明かした。７日は組み合わせ抽選も行われ、１回戦の相手はサヤカ・マツモト（米国）に決まった。

　谷にとってつらい決断だった。会見で愛息について聞かれると「試合まで会う時間は取れそうにないですね」。一瞬さみしげな表情を見せた。関係者によれば、午前中はチームでの練習があるものの、午後は個人練習のため面会時間を確保することは可能。“子離れ”は谷の勝負師としての判断だった。

　谷の父・田村勝美さんも「その方がいいだろう」と娘に賛成。佳亮くんは、谷の母・田村和代さんらとともにこの日午後に北京入りしたが、ママとの対面は行われず、北京市内のホテルへ直行したという。さらに「電話して（自分を）思い出させても息子がかわいそう」と５日に北京入りしてから“ナマ声”も聞いていない。それでも谷の母・和代さんには、こまめに連絡を入れて、佳亮くんの状況をチェック。携帯電話に息子の写真をたくさん保存しているだけあって、気にならないはずはない。

　すべては金メダルへの決意の表れだ。「誇りをもって試合をしたい」と力強く話した。公開練習では海外メディアの姿もあったため“情報漏えい”も警戒して軽めの調整で終えたが、午後の個人練習では、さみしさをかき消すように必死に汗を流した。

　この日、組み合わせが決定。初戦を突破すれば、２回戦で地元・中国の呉樹根との対戦となりそうだ。昨年の世界選手権で勝っている相手ではあるが、敵地での対戦は“完全アウェー”が想定される。それでも女子代表の日蔭暢年監督は「今の谷なら問題ない」とブーイングをもはね返すことを期待した。

　それを裏付けるように「いいコンディションを保っている。やり残したこともないし、これからやりたいということもない」と谷も自信を示す。首に金色のメダルをかけて、愛息を抱くその時を思い描きながら、静かに決戦の時を待つ。

参照元：スポーツ報知