矢野先制２ラン！４安打４打点！原監督連夜「２番」的中！

◆ヤクルト２―９巨人（５日・神宮）　巨人が５本のアーチをかけて、今季２度目の同一カード３連戦３連勝を飾った。勝利を呼び込んだのは「２番・左翼」でスタメン出場した矢野だ。左腕・石井一の先発を予想して起用され、初回に先制２ラン。その後も安打を重ね、４安打４打点と原監督の期待に応えた。前日（４日）は清水を２番で起用して逆転３ラン。指揮官の采配が見事に決まり、８月は負けなしの５連勝。中日とのゲーム差を３・５に広げ、着々と首位固めだ。

　ミスショットと勘違いした。初回、矢野が初球のストレートから打ちにいった。「（右翼には）あまり打ったことがない。ライトフライか」と思った打球。高々と上がり、しかし、本人の予想をいい形で裏切った。右翼ポール際で弾む５号先制２ラン。若武者が強烈な先制パンチを石井一に浴びせた。

　一塁には高橋由。うしろにつなぐため、コンパクトに逆方向に打つことを心掛けた。代打の時は引っ張りが多いが、下半身を使って押し込んだ分、右に飛んでも失速しない。６月１１日、日本ハム戦以来（東京ドーム）のアーチは、スタメンでは初。「最高の形で走者を進めることができた。ホッとしました」お立ち台で笑顔を弾ませた。そして、目標は？と聞かれると「スタメンを取ることです」と言い切った。

　原監督の采配が、また当たった。疲れがたまっている谷を２試合続けてスタメンから外した。右の館山が先発した４日は、左の清水を使って逆転３ラン。この日は左の石井一対策として、右の矢野を７月１８日、対阪神戦（甲子園）以来１２試合ぶり先発の「２番・左翼」に組み込んだ。その男が終盤まで打ちまくり、４安打４打点。指揮官も「コンディションも含め、いいモチベーションを持っていてくれている」と手放しでたたえた。

　主力を休ませるだけが狙いではない。ベンチにいる選手にもチャンスを与える。抜てきされ、そして活躍すれば、レギュラーの刺激になる。お互いの切磋琢磨（せっさたくま）こそが、チーム力のアップにつながり、それが、ペナント奪回の勢いにつながる。「ホリンズがちょっと調子悪いからね。矢野のスタメン？　可能性は十分あると思うよ」篠塚打撃コーチはさっそく、代打起用が多かった矢野の評価をワンランク上げ、競争激化を予感させた。

　パンチのある高橋由、矢野を上位に置いた攻撃的オーダー。ひとたび点火すると、もう止まらない。二岡２発、李、さらに代打の大道にまで巨人移籍後初アーチが飛び出した。今季３度目の５連勝で、球宴明けは９勝３敗。チームの本塁打量産もすさまじい。昨季の１３４本を超え、１３８本に達した。このまま行けばシーズン２０２本ペースだ。「それは皮算用だね。まあ、しっかり引き締めてやっていきたい」接戦はまだ続く。竜だけでなく、虎も追い上げてきているが、原巨人は「全員野球」で突き放す。

　巨人・原監督「打線がよく頑張ってくれました。チャンスでことごとく点に結びつけることができた。（前日の清水、この日の矢野の活躍に）本人たちがコンディションを含めて、いいモチベーションを持ってくれている。来週また６連戦（阪神、中日）が続く。いい形で入れる」

参照元：スポーツ報知