急所攻めに武蔵悶絶…Ｋ―１ワールドＧＰ香港大会

◆Ｋ―１ワールドＧＰ香港大会（５日、香港・アジアワールドエキスポアリーナ）　日本のエース・武蔵（３４）＝正道会館＝が急所攻撃に泣いた。１回戦でパク・ヨンス（韓国）、準決勝で王強（中国）と対戦。２試合ともローブローの反則攻撃にもん絶しながら勝ち抜いたが、下腹部のダメージが大きく、決勝戦は無念のドクターストップ。ワールドＧＰ本大会進出を逃した。金泰泳（正道会館）も眼窩底（がんかてい）骨折の疑いで棄権する大波乱の末、藤本祐介（ＭＯＮＳＴＥＲ　ＦＡＣＴＯＲＹ）がアジアＧＰ２連覇を達成。ＧＰ開幕戦（９月２９日・ソウル）切符を獲得した。

　もがき苦しんだ。それでも武蔵の闘志は尽きなかった。度重なる反則攻撃を耐え抜き、決勝進出切符は文字通り、はいつくばってつかんだ。だが、無念のドクターストップ。急所のダメージはあまりにも大きかった。

　１回戦。開始早々、パクの前蹴りが下腹部に当たり、もん絶。回復を待って４試合後の仕切り直しでは怒りが爆発。左右のフックで失神ＫＯを奪ったが、興奮冷めずに倒れた相手に襲いかかった。レフェリー、セコンドが必死に止めに入ってわれに返ったが、生涯初の厳重注意を受けた。

　続く準決勝。今度は王の左ひざがもろに急所を直撃し、またもん絶。セコンドのタオル投入により、一時は王のＴＫＯ勝利が告げられたが、王の反則行為後だったために撤回。武蔵の回復を待って続行するはずが、勝利を主張する王がボイコットし、勝者は武蔵。アウェーのはずの香港に「武蔵コール」が巻き起こったが、闘志だけでは決勝のリングに立てなかった。

　進退をかける大会を前に、谷川貞治イベントプロデューサー（４５）からは「優勝が最低条件」と通告されて発奮。「負けるつもりは全くない」と１か月間、ロサンゼルスで特訓を行い、腹を決めて香港に乗り込んだ。戦う姿勢が、ファンの心に伝わっていれば、推薦枠での本大会出場を求める声が巻き起こる可能性は残されている。

参照元：スポーツ報知