白鵬の土俵が水没危機…大相撲名古屋場所７日目

　◆大相撲名古屋場所７日目（１４日、愛知体育館）　新横綱・白鵬（２２）＝宮城野＝に思わぬ“天敵”が出現した。小結・安美錦（２８）＝安治川＝をとったりで破り７連勝を決めた白鵬だが名古屋市緑区の部屋のけいこ場が台風４号の直撃で消失の危機に立たされていることが１４日、判明した。けいこ場が流されれば後半戦で朝げいこができなくなる。順調に白星を重ねる新横綱の行く手を台風がさえぎってしまうのか！？　全勝は白鵬と関脇・琴光喜で、１敗は新入幕の豊響が敗れ横綱・朝青龍、大関・魁皇、平幕の豊真将の３人となった。

　白鵬が、豪快に７連勝を飾った。６日目まで太刀を持ってくれた安美錦の右腕を抱え込むと、とったり。相手を土俵下に投げ捨てた。「強引さもないとね。十分な体勢にならなくても相撲が取れている」通算の連勝も２３に伸ばし、表情にも余裕が生まれる。

　この日は、太刀持ちに同じモンゴル出身・龍皇（宮城野）、露払いに韓国出身・春日王（春日山）を従え、史上初の全員外国出身力士による横綱土俵入りを披露。「いい絵になったんじゃないですか」新しい歴史をつくり笑顔を見せた。

　好調な相撲内容とは対照的に、土俵外ではアクシデントが発生した。台風４号は、１５日午前中にも名古屋を直撃することが予想される。白鵬の育ての親・熊ケ谷親方（元幕内・竹葉山）は「あしたはけいこどころじゃない。テントが飛んで土俵が流れたまま千秋楽まで使えなくなるかも」と危機感を口にする。けいこ場が消えてなくなる可能性があるのだ。

　土俵を覆う仮設テントの四方をビニールシートで囲うなど対策も開始したが自然災害の影響は予測不可能。最悪の事態も覚悟しなければならない。

　昨年の名古屋場所も同じ寺に宿舎を置いたが、アスファルトの上に薄い土俵をつくったため水はけが悪く、雨が降ると土が流出。満足なけいこができず綱取りに失敗した。苦い経験を踏まえ、今年は場所を土の駐車場の上に移し、雨対策も万全のはずだった。

　新横綱場所の重圧による疲労で、３日目しか朝げいこをしていない白鵬。だが、終盤戦を迎える週明けには調整を行わなければならない状況となる。今年も土俵が使用不可能となれば、新横綱Ｖへ向けての凶兆となってしまう。

参照元：スポーツ報知