遼、日本の借り世界で返す

５月に行われた男子プロゴルフツアー、マンシングウェアＫＳＢカップを史上最年少の１５歳８か月で勝った石川遼（杉並学院高１年）は１４日、世界ジュニア（１７～２０日、米カリフォルニア州トーリーパインズＧＣ）に出場するため、日航機で渡米した。出発前に行われた会見では、堂々の優勝宣言。今大会ではピン型の新パターを導入し“世界制覇”を目指す。

　遼の目に不安の色はなかった。出発直前の壮行会見。「世界まで行くと、技術的には（ほかの選手と）変わらない。最後まであきらめずにプレーしたい。世界の上位のジュニアゴルファーと、互角に戦えるように頑張ります」。初出場とは思えないほど、自信に満ちた口調で言い切った。

　準備はしっかり整えた。先週の日本アマでは無念の予選落ち。その原因をパットと分析した遼は、「インパクトでしっかりヒットできていなかった」と悪かった部分を修正。その上で、世界ジュニアではこれまでの“エースパター”だったＬ字のものではなく「ピンタイプを使う」予定だ。新兵器を手にしたことで不安も消えた。「自分の実力がどこまで通用するかワクワクしています」と、笑顔も見せた。

　周囲の期待も高い。ＮＨＫをのぞく民放５社が、現地取材を決定。新聞各紙も含めると、総勢５０人以上の報道陣がアメリカに乗り込む。日本ゴルフ協会関係者は「日本でも海外でも、アマチュアの試合にこれほど多くのメディアが取材に行くのは記憶にない」と驚きを隠さない。

　出発前のゲートでは、遼の写真を撮ろうと、外国人の観光客までが集まって、人垣ができた。その注目度は、もはや日本の枠を越えようとしている。世界ジュニアでは、もちろん実力でも世界トップクラスであることを証明してみせる。

参照元：スポーツ報知