俊輔ベトナム攻略作戦完成…アジア杯 １６日・ベトナム戦

◆アジア・カップ　▽１次リーグＢ組第３戦　ベトナム―日本（１６日、ハノイ）　【ハノイ（ベトナム）１４日】日本代表ＭＦ中村俊輔（２９）＝セルティック＝が１６日の１次リーグ最終戦で激突するベトナム代表の攻略法を披露した。引き分けでも準々決勝進出が決まるが、俊輔は自陣に深く引き、カウンターを狙う穴熊作戦を敷く敵を、正確無比なサイドチェンジと必殺のスルーパスという縦横無尽な揺さぶりで崩す必勝作戦で、Ｂ組１位突破を決める。

　百戦錬磨の司令塔の脳裏には、ベトナム攻略の青写真が鮮やかに浮かんでいた。１得点１アシストの大活躍を見せたＵＡＥ戦から一夜明けた１４日、俊輔がホスト国打破に強い自信を浮かべた。

　「ベトナムは自陣に引いてくる。だから、なるべくサイドから攻める。たまにロングシュートや、早い段階でＤＦの裏に一発狙うスルーパスを狙う。横の揺さぶりと縦の揺さぶりをかければ、後半に絶対相手はばててくる」今大会２試合の敵情分析を済ませた司令塔がよどみなく語った。

　高温多湿な劣悪な環境でも走り続ける地の利を生かした運動量を特徴とするベトナムには武器がある。将棋の穴熊作戦とも呼べる、自陣に深く引いた４―４―２システムで危険な高速カウンターを発動する。だが、「前半のジャブの入れ方が大事になる」と語る俊輔は大会２連覇の経験から確実な攻略法を示した。

　黄金の左足が放つ正確無比なサイドチェンジで敵の中盤の体力を消耗させる。更に「あまりうまくない」と指摘した敵のＣＢコンビの裏を突く、必殺のスルーパスで急所を狙う。縦横無尽の揺さぶりで敵将リードル監督の張り巡らせる網の目を分断し、体力浪費を誘い、後半に勝負をかける。

　油断は許されない。ＵＡＥ戦前半４２分にＰＫを決める寸前、不可解な警告を受けた。次戦で警告を受ければ、決勝Ｔ初戦は出場停止となる。だが、中盤で絶大な支配力を誇る俊輔を温存し、Ｂ組首位突破できるほどオシム監督に余裕はない。「俊輔は外すわけにいかないでしょう」とスタッフも明言した。冷静沈着な名棋士・俊輔が敵の牙（が）城を攻め落とす。

参照元：スポーツ報知