巨人・大田涙！原先輩引いた「運命感じる」…ドラフト会議

タツノリ２世の巨人愛が、実った。プロ野球の新人選択会議（ドラフト）が３０日、都内のホテルで行われ、高校生ＮＯ１スラッガー、東海大相模・大田泰示内野手（１８）を巨人、ソフトバンクの２球団が１位指名。抽選の結果、大田のあこがれの人、原監督が当たりくじを引き当てた。「運命的なものを感じる」と涙ぐむ新怪物に、ドラフトでの“抽選連敗”を５で止めた指揮官も「今までで一番強い思いがあった」と大興奮だった。

　言葉が出なかった。原監督が交渉権を獲得した瞬間、大田はただ、父・幹裕さん（５０）の手を力強く握りしめた。歓喜、驚き、安堵（あんど）…。さまざまな感情が入り交じった涙が、目からあふれてきた。「どうなるか分からなかったので…。タツノリさんの下でできるのが本当にうれしい」超高校級スラッガーと巨人を結ぶ赤い糸は、固くつながっていた。

　野球部寮の監督室でその瞬間を待った。会議開始直前には緊張に耐えられなくなり、席を外し、叫び声を上げた。同校ではＣＳテレビでの中継が見られなかったため、門馬敬治監督の携帯電話に、中継を見ることができた東海大・横井人輝監督（４６）が“ライブ中継”してくれた。指名球団は巨人とソフトバンク。「今から抽選が始まる」横井監督がそう告げた後、沈黙を経て、最高の結果を聞いた。「頭が真っ白でした」巨人以外は東海大進学も視野に入れていたが、悩む必要はなくなった。

　「あこがれの先輩の下でできるなんて、普通ではあり得ない。すごく運命的だなと思います」原監督に中学２年の時に野球教室で指導を受け、熱い思いを胸に広島から上京、後輩となる道を選んだ。そして夢がかなった。

スターの系譜を受け継ぐ。高校通算６５発のタツノリ２世は「強気のバッティングを見てほしい。強い打球で右中間、左中間を抜くようなバットスイングを目指したい」と胸を張った。今夏は遊撃を守ったが、坂本が今季、急成長を遂げたこともあり、球団では三塁手として期待している。巨人の生え抜き三塁手といえば長嶋茂雄、原とそうそうたる顔ぶれが並ぶ。「日本中の誰もが知っている方が守られていたポジションをやるにあたって、相応の努力をして結果を残したい」と意欲を燃やした。「夢としてはありますが、現実にはどうでしょうか…。でも生半可な気持ちでやりたくないし、高い目標を持って目の前の課題を１つずつクリアしたい」と「４番・三塁」を目指していく。

　ドラフト終了後、原監督から、門馬監督を通じて「迷わずに思い切って飛び込んでこい」と言葉を贈られた。「１日でも早く、タツノリさんと同じベンチに入りたい。グータッチ？　ぜひ、してもらいたい」と早期の１軍昇格、大活躍を誓った。ドラマチック・ドラフトをプロローグに、大田の伝説が幕を開けた。

　◆大田　泰示（おおた・たいし）１９９０年６月９日、広島・三次市生まれ。１８歳。福山市の川口小１年からソフトボールを始め、城南中では軟式野球の「松永ヤンキース」に所属し、三塁手兼投手。高校では１年春から三塁手としてベンチ入り。１年秋から４番を務め、今春から遊撃手。投手も兼任し、今夏の北神奈川大会決勝では最速１４７キロを計測した。家族は両親と兄２人。１８８センチ、９０キロ、右投右打。

参照元：スポーツ報知