錦織“自力北京”絶望的…全仏テニス

◆全仏オープン男子シングルス予選（２２日、パリ）　全仏オープンテニスのシングルス予選は２２日、パリで男女２回戦が行われ、男子世界ランキング９９位で第５シードの錦織圭（１８）＝ソニー＝は、同１９３位のジーマン・グロイル（ドイツ）に２―６、５―７で敗れ、４大大会本戦初出場を逃した。これで世界ランキングによる北京五輪出場権獲得は絶望的となり、国際連盟（ＩＴＦ）による推薦での出場に懸ける。女子の米村明子（荏原製作所）も敗れ、予選の日本勢は姿を消した。

　攻略の糸口をつかめない焦りが錦織の顔に浮かんでいた。「どこに打っていいのか、わからなくなった」。２年前に世界ランキング７５位に入ったグロイルのうまさにやられ、全仏での４大大会デビューを逃した。

　広角に振っても１８５センチと長身で手足が長い相手に追いつかれ、深いボールを返された。「決まったと思っても返されて、ミスも少なかった。気持ちが守りに入ってしまった」。初めてブレークポイントを迎えたのは第２セットの第９ゲーム。５―５の第１１ゲームでも２度ブレークチャンスがあったが、この勝負どころで相手にキープを許し、いら立ちからラケットをコートにたたきつけるほど冷静さを失った。

　次の４大大会、ウィンブルドン（６月２３日開幕）は本戦からの出場が決まっているが、世界の層は分厚い。９９位といえども、予選を簡単には勝てない。発展途上の１８歳は「自分の思い描いていたプレーができなかった。本戦に出たかったのに…」と悔しさをかみしめた。

参照元：スポーツ報知