白鵬吹っ飛ばした！！２横綱連覇！琴欧洲２３日にも初Ｖ…夏場所１２日目

◆大相撲夏場所１２日目　●白鵬（寄り切り）琴欧洲○（２２日・両国国技館）　全勝の大関・琴欧洲（２５）＝佐渡ケ嶽＝が横綱・白鵬（２３）＝宮城野＝を破り自己最多タイの１２連勝を達成した。１３日目に対戦する西前頭４枚目の安美錦（２９）＝伊勢ケ浜＝を破り、２敗に後退した白鵬に土が付けば千秋楽を待たずに琴欧洲の初優勝が決定する。２敗の横綱・朝青龍（２７）＝高砂＝と平幕の豊ノ島（２４）＝時津風＝はともに敗れ３敗となり、優勝の可能性が遠のいた。

　初優勝をグッと引き寄せた。運命の白鵬戦。勝負に徹した琴欧洲は、立ち合いで左に変化。左上手を取ると、休まず攻めて右四つ。土俵際で粘る白鵬を寄り切ると、土俵下まで吹き飛ばした。２日連続で横綱を撃破し無敗を死守。１３日目に白鵬が敗れ、自身が勝てば、欧州勢として初の賜杯を手にする。

　花道を引き揚げてくると“琴欧洲スマイル”が爆発。「自分の形になりました。２横綱を破ったのは初めて。すごくうれしい。言葉が出ません」０５年秋場所と並ぶ自己最多の１２連勝に、気持ちも乗ってきた。

　史上７人目のカド番Ｖは、“父”にささげる。昨年８月１４日に先代・佐渡ケ嶽親方（元横綱・琴桜、鎌谷紀雄さん）が６６歳で死去した。「信じられない」厳しかったが、相撲のイロハを教えてくれ、大関まで育ててくれた先代の死に、言葉を失った。だが、何よりも相撲好きだった鎌谷さん。「日本の父でした。報いるには勝つしかない」悲しみをこらえ、飛躍を心に誓った。右ひざのけがなどで低迷する時期はあったが、やっと強い姿を見せることができている。

　朝げいこ後と部屋に戻ってきた時には、仏壇に手を合わせるのが日課。その姿を見ている現佐渡ケ嶽親方（元関脇・琴ノ若）は「今は先代の写真が笑っているように見える」。２代にわたって弟子の快進撃を喜んでいる。

　１３日目は、過去５勝７敗と苦手としている安美錦戦。「まだまだあと３日。１日、１日、自分の相撲を取ります」と、気を引き締めた。８月２日には鎌谷さんの１周忌が都内のホテルで営まれる。今場所初優勝、そして名古屋（７月）で横綱に昇進すれば、天国の恩人に最高の報告ができる。

　◆琴欧洲効果１１年ぶり満員　○…琴欧洲の活躍でチケットの売り上げも好調だ。２２日は、夏場所１２日目としては９７年以来、１１年ぶりに満員御礼となった。北の湖理事長は「琴欧洲が勝っているのがいいんだろう」と、話した。４月に開設した公式ブログは、まだ書き込みがない状態にもかかわらず、今月だけで５０００ヒットを記録している。

参照元：スポーツ報知