金本４０歳最長の鉄人弾４００号！史上１５人目の快挙

◆広島９―３阪神（１３日・富山）　雨を切り裂き、白球は一直線に伸びていった。９回１死一塁。横山の初球。ど真ん中の速球を、金本のバットが真芯で射抜いた。「狙ってないよ。でも、富山のファンが期待しとったからな」右翼席へ運んだ６号２ランは、史上１５人目の通算４００号となった。

　「この点差やからな。ホームランは打たんと思った。あしたに取っておくかと思った」と、岡田監督が舌を巻いた。ワンサイドの展開で、試合途中からは強い雨も降り出した。金本でないベテランなら休養のためベンチへ下がっていてもおかしくない状況だった。

　４０歳１か月での４００号は、ローズ（オリックス）を超え最高齢記録。指揮官は「ホンマは勝ちゲームの方がよかったけど」と残念がったが、最後の瞬間まで決してあきらめないのが背番号６の美学。その姿勢をメモリアル弾で示したばかりか、木っ端みじんに崩れ去った投手陣にも無言の檄を飛ばしてみせた。

　４月１２日の横浜戦（横浜）で達成した通算２０００安打に続き、球史にその足跡を残した。しかし、当のアニキはドライだ。記録への考えを聞かれても「残るものであって、破られるものであって、抜かれるもの」と答えている。いつか追い抜かれるであろう「数字」よりも、金本は今のこの一瞬を大事に戦う。絶望的な点差で放った特別なアーチはひと際、美しかった。

参照元：スポーツ報知