石井、欧州武者修行！６月ベラルーシへ…柔道

柔道の北京五輪男子日本代表が１４日、東京・春日の講道館での練習を公開。全日本の斉藤仁監督（４７）は、１００キロ超級代表となった石井慧（２１）＝国士大＝を急きょ、６月に単身で欧州派遣するプランを明かした。今月は左でん部のけがの治療を優先させ、２４日に出発する全日本チームでのロシア、フランス合宿は免除。欧州柔道連盟主催のベラルーシ合宿に乗り込む武者修行を、北京五輪での金メダルにつなげる。

　石井が単独で欧州武者修行に乗り込むことになった。斉藤監督は「石井をベラルーシへ行かせる」と６月１５日からのベラルーシ合宿への派遣を明言。欧州各地から強豪選手が集まる同合宿で、北京前最後となる外国勢との戦いを経験させるつもりだ。

　本来は全日本チームとともにロシア、フランスを回る予定だったが、３月に負った左でん部の負傷を「まずはじっくり治す」（斉藤監督）。石井は少し遅れて６月上旬のフランス合宿から合流するが、他選手は合宿前半で帰国するため、その後は“ソロ活動”。階級担当の正木嘉美全日本コーチが同行するものの、フランス合宿後半とベラルーシ合宿において、畳の上では孤独な戦いとなる。

　重視するのはグルジアなど旧ソ連勢との対戦。「変形組み手とか肩車とかを経験させたい。本人もやりたがっている」という。昨秋に最重量級へ転向した石井は、外国勢と手合わせする機会は多ければ多いほど実になる。ライバルとなるロシア勢や、近年の柔道界で世界的に猛威を振るう“レスリング柔道”を肌で感じ、北京本番へ向けた対策を練り上げるつもりだ。

　石井はこの日、打ち込みと寝技など軽めの調整だったが、先週から練習を再開しているといい「（けがは）９割くらい回復している」。単独での武者修行合宿に向けては、「完ぺきに相手を研究して、組み手、技を確認したい」。日本の最重量級最年少代表は、早くも意気込んでいる。

　◆過去の柔道武者修行　９９年に、田村（現・谷）亮子ら全日本女子選手が、国内の大学、実業団に単身で乗り込んで練習。谷は翌年のシドニー五輪で悲願の金メダルをつかんだ。０３年には、野村忠宏が欧州へ渡り単独で武者修行を行い、翌年のアテネ五輪で見事五輪３連覇を達成。昨年は泉浩、石井慧らが韓国で武者修行を行った。

参照元：スポーツ報知