耐えて耐えて“冬のさくら”咲く １億円！逆転女王見えた！…女子ゴルフ

◆女子プロゴルフツアー　大王製紙エリエール最終成績（２３日、愛媛・エリエールＧＣ松山、６４４２ヤード、パー７２）　横峯さくら（２２）＝エプソン＝が今季初、通算９勝目を挙げた。５アンダーの首位から出た横峯は９バーディー、３ボギーの６６で回り、通算１１アンダーにスコアを伸ばした。獲得賞金も２年連続で１億円を突破。賞金ランク１位の李知姫（２９）＝韓国＝との差を約１６１６万円にして、初の賞金女王へチャンスをつないだ。４打差の２位には米山みどり（３２）＝デンソー＝、３位には今季最終戦となった宮里藍（２３）＝サントリー＝が入った。

　久々の優勝にも、派手なガッツポーズはなかった。横峯はウイニングパットを沈めると、左手を上げてギャラリーの歓声に応えただけだった。「今年は優勝できないんじゃないかと思っていたので本当にうれしい」今季の自身３５試合目での遅すぎる優勝に、少し照れているようにも見えた。

　鮮やかなバーディーラッシュだった。今季、優勝を逃す原因となっていたパットが面白いように入った。１番でピン左３メートルを沈めると２番で３メートル、３番で４メートルを沈め３連続バーディー。「１番の３メートルぐらいのパットが入ってくれて２、３番と入って波に乗れた」前半を６バーディー、ノーボギー。ハーフ自己ベストの３０で回り２位と５打差。「自分のプレーをすれば大丈夫」昨年１０月の富士通レディース以来、約１年１か月ぶり優勝を確信した。

　勝てなかった。２位４回、３位３回とあと一歩で優勝を逃してきた。象徴的だったのは３月のＰＲＧＲレディスカップ。最終１８番、わずか５０センチのパーパットを外し、申智愛（韓国）とのプレーオフの末に敗れた。敗戦を繰り返すたび「パターが下手だね」と心ない言葉を浴びたこともあった。

　未勝利の危機に、今大会はゴルフ人生で初めてピン型のパターを使用。さらに「最後の最後で詰めが甘いのは精神的なもの」と弱点を改善するため、この日は自分にプレッシャーをかけた。２日目終了後、姉・彩花さん（２５）やメーカー関係者に「優勝する」と宣言。「気持ちで逃げないようにした」と自分を追い込んだことが奏功した。
１６１６万差　優勝賞金１６２０万円を加えて今季獲得賞金は、２年連続で１億円を突破。トップの李知姫に１６１６万６１７円差と迫った。優勝賞金が２５００万円と高額な最終戦のＬＰＧＡツアー選手権リコーカップ（２７～３０日・宮崎ＣＣ＝報知新聞社後援）で優勝し、李が４位以下なら初の賞金女王をつかむことができる。「この大会で勝てたことはすごく大きい。最後まであきらめずに頑張りたい」逆転女王へ、さくらが２週連続Ｖに狙いを定めた。

　◆賞金女王の行方　賞金女王の可能性があるのは賞金ランキング１位の李知姫、２位横峯、３位古閑まで。２人が逆転するには、ともに優勝が最低条件。横峯は李が単独４位以下、古閑は李が単独９位以下の場合になる。

　◆さくら今季の惜敗
  ▼ダイキンオーキッド（３月７～９日、琉球ＧＣ）今季開幕戦最終日途中で２位に３打差の首位に立ちながら１６、１７番の連続ボギーが響きＶ逸。
  ▼ＰＲＧＲレディスカップ（３月２１～２３日、土佐ＣＣ）首位で迎えた最終１８番、約５０センチのパットを外し、プレーオフの末に敗れる。
  ▼ミヤギテレビ杯ダンロップ女子（９月２６～２８日、利府ＧＣ）最終日を単独首位で迎えながら終盤にドライバーが乱れ７４と崩れて５位。上田桃子に逆転優勝を許した。

参照元：スポーツ報知