白熱賞金王争い！余裕の谷口ＶＳ片山の勢い…日本シリーズ２９日開幕

男子プロゴルフツアーの今季最終戦、日本シリーズＪＴカップ（報知新聞社主催）は２９日から４日間、東京よみうりＣＣ（７０１６ヤード、パー７０）で開催される。賞金ランク１位の谷口徹（３９）＝フリー＝と、同２位の片山晋呉（３４）＝イーグルポイントＧＣ＝の２人に絞られた賞金王争いも白熱。谷口が余裕の表情を見せれば、片山は優勝を宣言した。　“賞金王決定戦”を前に、２強は対照的な表情を見せた。

　雄弁だったのは、厳しい立場の片山。尾崎将司（１９９４～９８年）、青木功（７８～８１年）に続き史上３人目の偉業となる４年連続賞金王へは優勝が最低条件で、勝っても谷口が単独２位以内なら逃げ切られてしまう。それでも、あきらめる様子はまったくなかった。「野球でいえば９回裏２アウト、ランナーなしで１点差負け。どう考えたって（谷口が）圧倒的有利だけど、僕は楽しみですね。調子もいい。勢いもある。これで点取ったりするんですよね」

　大会通算２勝。コースとの相性もバッチリの３４歳は、笑顔で意欲を見せた。準備も万端。プロアマ戦後、１４本のクラブの中で唯一、不安があった５アイアンのライ角を０・１度だけ調整した。「見ただけで（自分に合わないと）気づいたからね」。勝利しか許されない男は、ほんのわずかな狂いも許さなかった。

　一方の谷口は、極めて冷静だった。大会への意気込みを聞かれても「何年も出てる。特別なものは何もない」とキッパリ。勝てなくてもいいという余裕なのか、何を聞かれても、のらりくらりとかわした。初日は最終組で対決する片山への印象についても「意識はしない。自分のベストを尽くしたらいいと思います」と淡々と答えた。

　２人が今大会初日に最終組で対決するのは、２００４年大会以来で２回目。最終的にはともに１５位に終わり、片山が逃げ切りで賞金王を獲得した。果たして今回は―。谷口の今季獲得賞金は約１億５８０４万円。片山は約１８６９万円差の１億３９３５万円。両雄の意地とプライドをかけた戦いの幕が、ついに開く。

　◆過去の２人の日本シリーズでの賞金王争い
  ▽２０００年　トップの谷口を３位の片山が約３７７１万円差で追走。米ツアー予選会を受験した谷口の居ない間に片山が優勝し、約７７１万円差の２位に浮上した。片山は最終戦のファンケルオープン沖縄も制し、大逆転で初の賞金王を獲得した。
  ▽０４年　トップの片山を谷口が約１７７４万円差で追う展開。片山は単独２位以上なら賞金王と、今回とは逆の展開だった。試合は片山、谷口とも１５位に終わり、片山が４年ぶり２度目の賞金王に輝いた。

参照元：スポーツ報知