桃子居残り特訓…クラフト・ナビスコ選手権最終日

◆米女子ゴルフツアー　メジャー第１戦　クラフト・ナビスコ選手権最終日（６日、米カリフォルニア州ミッションヒルズＣＣ＝パー７２）　上田桃子（２１）＝ソニー＝は通算９オーバーで４７位に終わった。ホールアウト後には江連忠コーチ（３９）と約１時間、異例の特訓。次戦へ備えた。ロレーナ・オチョア（２６）＝メキシコ＝が通算１１アンダーで初優勝。全英女子オープンに続くメジャー２連勝で通算２０勝目を飾った。横峯さくら（２２）＝エプソン＝は３オーバー１９位、宮里藍（２２）＝サントリー＝は６オーバー３１位だった。

　優勝したオチョアがセレモニーで喜びにひたっているとき、１８番グリーンから３００メートル離れた練習場では桃子が黙々と球を打ち続けていた。桃子以外に練習しているのは、連覇を逃したモーガン・プレッセルだけ。最終日のホールアウト後は自宅に帰るか、次週の会場に向かうため、選手は足早にコースを去るのが普通だ。プレッセルが練習を終えると、残ったのは桃子だけになった。

　米本土で初めて経験するメジャーは勉強の連続だった。江連コーチは以前から「打った距離のランやキャリー、スピン量を理解しろ」と指導していたが、「考えすぎない方がいい」と思っていた。日本ツアーではそれでも通用したが、メジャーの難コースを経験して、師匠の言葉の重みを感じた。

　最終日も７５とスコアを落とし、日本人最下位の４７位。「まだ、アプローチの練習量が少ない。そこが伸びればパーセーブ率が良くなる」と課題を口にした。大会平均のドライビングディスタンスは２５３・６２ヤードで２６位。飛距離は対抗できるとあって、小技の習得が初優勝への条件だと悟った。

　今週はツアーを休み、１０日開幕の男子メジャー、マスターズ（オーガスタナショナルＧＣ）を観戦して勉強するつもり。江連コーチは７日に帰国するため、次に直接指導を受けられるのは６月以降。「次に来るまでに勝つ準備をしておけよ」という言葉に桃子は「ハイッ」とうなずいた。「今のロレーナ（オチョア）みたいに、なかなか追いつけない存在になりたい」尊敬する女王に少しでも近づくため、桃子はがむしゃらに努力を続ける。

参照元：スポーツ報知