岡田監督鬼！高原外した…予選あと３週間、時間がない

２０１０年南アフリカＷ杯のアジア３次予選タイ戦（２月６日）に向けて、日本代表候補が１５日、指宿市内で０８年のスタートを切った。昨年１２月、オシム前監督からバトンを受けた岡田武史監督（５１）は、いきなりゲーム形式の練習を敢行し、コンディションが上がっていないＦＷ高原直泰（２８）＝浦和＝を途中で“脱落”させるなど、初日から全開モード。また同監督は「代表３５人構想」を掲げた。

　真っ先に名前を呼んだのは「高原」だった。１０対１０のハーフコートゲーム（８分）をメモを取りながら鋭い視線を送った岡田監督。４本を終えた時点で高原ら５選手に外周ランニング令を出した。「フィジカルコンディションは８０％で来ているが、対人プレーはオフの間はできないから仕方ない。選手は何人か遅れていた」。代表の常連でもある高原、遠藤、橋本、水野、坪井への満足度は決して高くなかった。

　特に高原は約２か月間、実戦から離れている。フィジカルテストの時から明らかに動きは重い。別メニューは「自己申告」と指揮官は語ったが、申し出た選手はおらず、スタッフは「監督の判断だと思う」と語った。

　時間はない。Ｗ杯３次予選のタイ戦まで約３週間。２６日のチリ戦までは１０日しかない。合宿の目的を指揮官は「選手を見極め選抜すること」と語る。今合宿の３１人から最終日に１０人前後を落とし、タイ戦では１８人まで絞っていく。チリ戦とボスニア・ヘルツェゴビナ戦である程度の計算が立つ選手でないとタイ戦では使えない。通常のオフ明けのように体力トレをしている余裕はない。オシム前監督から引き継いで初の本格合宿。「今は１日、半日でも（フィジカル練習に）使うゆとりはないんでね」指揮官は初日からエンジン全開で戦術練習を敢行した。

　選手も生き残りへ全開モードだ。スライディングが飛び交い、ハードな当たりも辞さない。だからこそ体が重い選手はけがをさせないように外したのだろう。ＧＫ西川は「いきなりゲームで驚いたが普段と変わらないと思うくらい」と話し、憲剛も「普段と同じようにみんな動けていた」と語った。

　準備期間は短い。岡田ジャパンが始動、即Ｗ杯モードに突入する。

参照元：スポーツ報知