付け人呆然、力水付け忘れも朝青は万全！初顔２６連勝…大相撲初場所４日目

◆大相撲初場所４日目　○朝青龍（寄り切り）豪栄道●（１６日・両国国技館）　横綱・朝青龍（２７）＝高砂＝が前代未聞のハプニングを乗り越えて、今場所初の連勝を決めた。東前頭３枚目・豪栄道（２１）＝境川＝を一方的に寄り切って、初顔合わせでは０１年夏場所から続く２６連勝を達成。ただ、連勝の直前には、付け人が力水を付け忘れるハプニングが発生した。勝っても負けても何かが起きる朝青龍劇場。５日目は昨年４月にけいこ場でけがを負わせ問題となった因縁の相手、東前頭２枚目・豊ノ島（２４）＝時津風＝の挑戦を受ける。

　まだ俺と対戦する顔じゃねぇんだと言わんばかりのダメ押しだった。初顔の豪栄道を寄り切った直後だ。朝青龍が国産ホープの胸を左手で激しく突いた。「下から上がってくるヤツとやると燃えるよ」。初顔合わせは０１年夏場所の安芸乃島戦から２６連勝。「流れがいい感じになってきた」。復活場所で初の連勝に強気の言葉もよみがえった。

　前日は観戦した横綱審議委員の内館牧子委員（５９）をにらみつけるなど場所を劇的に彩っている暴れん坊横綱。この日もドラマは起こった。結びの土俵上。朝青龍が呼び上げられた時だ。西支度部屋で「お前！　何やっているんだ」と部屋の若者頭・伊予桜の怒声が響いた。結び前の二番で西の琴欧洲、栃乃洋が連敗し勝ち残りの力士がいなくなった。こうなると通常は土俵に上がった力士の付け人が、力水をつけるのが決まりだが、朝青龍の付け人頭を務める輝面龍（３８）は支度部屋でくつろいでいた。あわてて伊予桜が呼びに来たが時すでに遅し。急きょ、呼び出しの重太郎が代役を務める前代未聞のハプニングが発生した。

　０２年夏場所から付け人頭を務める輝面龍にとって初めてのミス。「うっかりしていました。横綱が勝ったから良かったです」。厳格な仕事ぶりで定評のある付け人頭が犯したまさかの事態。２場所連続の出場停止で朝青龍だけでなく付け人も土俵勘が戻っていなかった。当の横綱は「気づかなかった」と涼しい顔。前日に黒いサポーターを巻いた左足首も師匠の高砂親方（元大関・朝潮）のアドバイスでテーピングへ変更し重傷でないこともアピールした。

　支度部屋ではカメラマンに「いいカメラだな。オレも持っているんだ。負けねぇよ」とナゾの挑発。さらに親しい記者のシャツに「今日はブルーだな。いつもグレーだろ」とドン小西ばりのファッションチェックを敢行し、舌も絶好調。高砂親方も「徐々に流れになってきた」と評価。５日目に因縁の豊ノ島を退け流れを本物にしたい。

　◆力水　力士が仕切りに入る前に口をすすぎ身を清める水。これから取組に臨む土俵上の力士に対し、前の取組の勝ち力士がひしゃくにくんだ水を差し出す。負けた力士は水を付けられない決まりで、勝ち力士が残らなかった場合は控えにいる次の取組の力士が行う。結びの場合は、前二番がともに負けると、控えには直前の負け力士だけが座っている状況で、土俵上の力士の付け人（幕下以下）が着物を着て、右肩をはだけた姿で代役を務める。水を付けてもらえるのは十両以上の取組に限られている。

参照元：スポーツ報知