さくらジャパンに「着るサプリ」悲願メダル後押し

◆ホッケー　日韓女子国際交流試合最終戦　日本２―２韓国（２０日、天理市親里ホッケー場）　北京五輪に出場するホッケー女子日本代表に、うれしい疲労回復アイテムが登場した。“着るサプリ”と呼ばれるＳＫＩＮＳ（スキンズ）のインナーウエアで、チーム最年長のＦＢ加藤明美主将（３７）＝ＨＡＮＮＯ＝は７月から毎日着用して睡眠を取っている。さくらジャパンは３０代が６人とベテランが中心。２０日は五輪前国内最終戦となる韓国との交流戦が行われ、アテネ五輪主将のＦＢ三浦恵子（３３）＝ソニー一宮＝の活躍で引き分けに持ち込んだ。

　劣勢に立たされた後半、頼りになったのは満身創痍（そうい）のベテランだった。２点を追う後半６分、ＦＢ三浦恵子がＦＷ千葉香織に６０メートルのロングパス。１点差のゴールを呼び込むと、同１５分にペナルティーコーナーから同点シュートを決めた。「あきらめないチームの持ち味が出て良かった」世界ランク５位の日本に対し同１０位で格下の韓国とはいえ、３年前のジュニアＷ杯で金メダルを獲得した強豪。引き分けは収穫だった。

　左足首に故障を抱える三浦を始め、選手の疲れがピークに達した６月。救世主のように登場したアイテムが、乳酸値を抑える効果があるスキンズのインナーウエアだ。「疲労回復にいいと聞いて」三浦も最近、パワーソックスウエア（ストッキング）の着用を始めた一人。１足約５０００円程度でほとんどの選手が購入し、今では試合中のほかリカバリー時の必須用品になった。

　４月までオーストラリアにホッケー留学していたＭＦ小野真由美（２３）＝コカ・コーラウエスト＝が持ち込んだのがきっかけ。最年長の加藤は上半身用とロングスパッツも購入し、今月４日から毎日、睡眠時には“全身タイツ”状態でつけている。「起きると背中の痛みがとれていたんです。温度調節もしてくれて暑くない！」ラグビーなど他の競技で取り入れられている“着るサプリ”だが、さくらジャパンにとっては目からウロコだった。

　恩田昌史監督（６９）は残り１クールを残した強化合宿について「大半はうまくいった。不安もあるが、自信と期待の方が大きい」と総括。１８日の韓国戦では６選手を７０分間交代なしでプレーさせる愛のムチ。９日以降は練習後の走り込みを厳命するなど、限界に追い込んだ。「飛行機で移動中も着用します」と加藤。強力な相棒を武器に、疲れを癒やした“アラウンドサーティー”がメダルに挑む。

　◆ホッケー女子　メダルへの道　予選リーグは１２チームが２組に分かれ、日本は世界ランク２位のアルゼンチン、同３位のドイツと同じＢ組。この２チームのどちらかを破るか引き分けに持ち込めば、準決勝進出が見えてくる。一方で格下のニュージーランド、英国、米国に取りこぼしは禁物。世界ランク４位以下は実力が拮抗（きっこう）しており、上位が脱落すればメダルのチャンスが出てくる。

参照元：スポーツ報知