５３歳ノーマン、最年長Ｖ逃す…全英オープン

◆男子プロゴルフ今季メジャー第３戦　第１３７回全英オープン最終日（２０日、英サウスポート・ロイヤルバークデールＧＣ＝パー７０）　グレッグ・ノーマン（５３）＝オーストラリア＝のメジャー史上最年長優勝はならなかった。２位に２打差の首位からスタートしたが、１バーディー、８ボギーの７７と崩れ、通算９オーバー３位。６９で回ったパドレイグ・ハリントン（３６）＝アイルランド＝が通算３オーバーで大会連覇を達成した。

　世界中が５３歳のカムバック劇に熱狂した。大声援をバックに最終組でスタートしたノーマンだが、いきなり３連続ボギー。３日目までの平均ストロークが４・５３１と２番目に難しい１番で、フェアウエーからの第２打をグリーン右手前のバンカーに入れてしまった。

　２番は左、３番は右と、ともにティーショットを大きく曲げパーオンできず、トップの座をハリントンに明け渡した。ハリントンも７番から３連続ボギーと乱れ、ハーフ終了時では再びノーマンが単独首位に立ったが１０、１２、１３番とボギーを続け失速。１５番でグリーン左手前のバンカーから１メートルに寄せ初バーディーを奪ったのは意地だった。

　これまで単独首位でメジャー最終日を迎えたのは７回あるが、優勝したのは８６年の全英オープンだけ。メジャーでの２位は実に８回を数え、ここ一番に失速することから“サタデー・グランドスラマー”というありがたくないニックネームをつけられたこともある。９６年のマスターズでは６打差をニック・ファルドに逆転された。８６年は全メジャーで最終日を首位で迎えたが、勝ったのは全英だけ。今回も終盤に苦しんだ。

　第３ラウンドに吹いた２０メートル超の最大瞬間風速には及ばないが、この日も強烈な風が選手を苦しめた。最終日で初めて晴れ間がのぞいたが、強風で体感温度は１５度未満の厳しさだ。６月末に元テニスのスター選手だったクリス・エバート夫人（５３）と結婚し「最近はゴルフの練習よりテニスをしている方が多いんだ」と幸せを満喫している。事業で成功を収め地位も名誉も得ているが、夫人との出会いが新たな挑戦に駆り立てた。

　優勝ならばメジャー最年長Ｖだけでなく、サム・スニードの持つ５２歳１０か月８日の米ツアー最年長Ｖ記録も更新するという大偉業。タイガー・ウッズ不在の大会を盛り上げたのは、まぎれもなくノーマンだった。

　グレッグ・ノーマン「もし、カップにけられた１１、１２番のパットが入っていたら違ったかもしれない。しかし、ここまで戦えたことに胸を張って帰ることができる。きょうの負けは残念でならないが、僕にとっては素晴らしい１週間だった」

参照元：スポーツ報知