貴乃花親方「虚心坦懐」役員待遇大抜てきにやっぱり四字熟語所信

日本相撲協会は４日、両国国技館で理事会を開き、役員改選に伴い新たな職務分担を決めた。注目は、３５歳で役員待遇に抜てきされた貴乃花親方（３５）の審判部副部長就任。「期待に応えられるよう虚心坦（たん）懐で吸収していきたい」と現役時代同様、四字熟語で要職への意気込みを示した。新理事の九重親方（５２）＝元横綱・千代の富士＝は広報部長、二所ノ関親方（５９）＝元関脇・金剛＝は名古屋場所部長にそれぞれ就任した。

　大関昇進時は「不撓（ふとう）不屈」。横綱となった時は「不惜身命（ふしゃくしんみょう）」を誓った。そして今回。異例の抜てきを受けた貴乃花親方は、やはり四字熟語の「虚心坦懐」で審判部副部長就任の決意を語った。

　「期待に応えられるよう虚心坦懐で吸収していきたい。力士は人生をかけて土俵に上がっていますから、今まで以上に誤審がないように心がけていきたい」。力士を公平に裁く要職にピッタリの熟語だった。

　言わずと知れた優勝２２回の平成の大横綱。０３年初場所の引退後は一代年寄・貴乃花を襲名し、０４年２月に審判部に配属。引退から５年、３５歳の若さで幹部へ駆け上がった。北の湖理事長は「現役時代から土俵に対する気持ち、態度、美をもってやってきた。審判員としても３年以上の実績があり適任」と説明した。

　４期目に突入した北の湖政権は、九重広報部長など新たな役職を発表した。昨年から朝青龍、力士死亡問題など課題山積の協会にあって、新たな改革の目玉が貴乃花親方の幹部抜てきになる。「今まで以上に目線を増やし、放駒審判部長（元大関・魁傑）に届かない意見を私が聞いていければと思います」。空前の若貴ブームで新たな時代を築いた現役時代と同様に協会に新風を吹き込む決意を見せていた。

　【虚心坦懐】きょしんたんかい。心にわだかまりを持たず、素直でさっぱりした気持ち。無心で平静な心境。偏見がなく心を開いていること。

参照元：スポーツ報知