石川遼「１０バーディー」ウッズと回る…５日プロ初戦全英予選

　【シドニー（オーストラリア）４日】待ってろ、タイガー！　男子プロゴルフの石川遼（１６）＝パナソニック＝は５日、シドニー・ザ・レイクスＧＣ（パー７３）で行われる全英オープン・オーストラリア地区予選でプロ初戦を迎える。前日の４日は豪雨のため練習ラウンドを中止。１月１０日にプロ転向宣言をした石川は、「１０バーディー」を目標に掲げ、あこがれのタイガー・ウッズ（３２）＝米国＝への挑戦権をかけて戦う。

　昼夜を通してシドニーに降り続いた強い雨。プロデビュー戦前日に予定していた練習ラウンドが中止されても、石川の表情は晴れやかだった。先月２９日に現地入りしてからはザ・レイクスＧＣの会員の力を借りて計６回の予行ラウンドを敢行。快晴、強風、豪雨、すべてのコンディションを経験した。「出る選手で一番焦っていないのはボク」と自信をのぞかせた。

　初戦はいきなり夢を実現させる絶好の機会。４位以上に与えられる本戦出場権を獲得すれば、あこがれのウッズとの対決が７月に実現する可能性も。「そういうチャンスがかかっている」と静かに闘志を燃やす。大きなウオーターハザードと強風が吹く難コース。昨年５月に優勝したマンシングウェアＫＳＢカップの最終日と同じ３６ホールで争われる。怖いもの知らずの１６歳は「３６ホールでバーディーを１０個取りたい」と宣言。本戦出場の切符をつかめば“初給料”もゲット。１位通過者は１７５０ポンド（約３７万円を手にする。

　１８６５年に樹立されたトム・モリス・ジュニアの１４歳４か月という全英最年少出場記録には及ばないが、この日、全英の公式ウェブサイトではトップページで同予選最年少出場の石川の写真が掲載されたほど注目度は高い。だが「年齢は関係ない。一人のプロゴルファーとして夢のようなチャンスを取りにいかないといけない」。ゴルフ界のプリンスが南半球の大地でプロとしての第一歩を踏み出す。

　◆大会方式　３６ホール・ストロークプレー。上位４人が本戦出場権を得る。１位の１７５０ポンド（約３７万円）から４位の５００ポンド（約１０万５０００円）までの賞金も出る。。昨年の１位、イワン・ポーター（オーストラリア）は計１１アンダー、２位は８アンダー、３位は５アンダーで３人が並び、２つのいすをプレーオフで争った。

　◆風が勝負の分かれ目に…レイクスＧＣ　ザ・レイクスＧＣはその名の通り、ウオーターハザードが数多く点在する難コース。石川も練習ラウンド初日に１番で第１打を左の池に入れ、“洗礼”を浴びた。

　５つのパー５でスコアを伸ばせるかがカギ。石川は練習ラウンドではすべて２オンを狙った。また、１３番パー４では１オンを狙う。

　世界４大ツアーで２３勝を誇るクレイグ・パリーのコーチで、同ＧＣ会員のリチャード・フラッドさんは、「風が勝負の分かれ目」と指摘。東からの風（１０番パー４での第１打が向かい風）が吹けば好スコアが見込まれるが、南風の場合は難しいと解説した。

参照元：スポーツ報知