琴光喜 場所後に胆石手術…九州場所２日目

◆大相撲九州場所２日目　○琴光喜（寄り切り）稀勢の里（１２日、福岡国際センター）　大関・琴光喜（３１）＝佐渡ケ嶽＝が今場所後に、胆石の手術を行うことが１２日、分かった。１０月に腹部に激痛を覚え、胆石と判明。現在は小康状態を保っているため、今場所は強行出場。だが、痛みが再発すれば、休場の危険をはらんでおり手術を決断した。この日は東前頭２枚目の稀勢の里（２１）＝鳴戸＝を寄り切りで破り初白星。満身創痍（そうい）の場所を気力で乗り切る。進退がかかる大関・魁皇（３５）＝友綱＝は元大関の雅山（３０）＝武蔵川＝を破り１勝１敗の五分とした。

　琴光喜が、手術を決断した。場所前に胆石が発覚。「今は痛みがないけど手術をするしかない」。いつ出るか分からない痛みの恐怖から解放されることを望み、除去する。当初は場所後の２６日に入院、２７日に腹腔鏡（内視鏡の一種）を使った手術を行う予定だったが「もう一度、話し合うことになる」と、現在は手術日程の最終調整に入っている。

　師匠の佐渡ケ嶽親方（元関脇・琴ノ若）は「食事制限されてしまうので（胆石を）取らないと」と、話した。胆石は、油を使った料理と酒は厳禁。だが、力士にとって食事は重要な“けいこ”。大好きな空揚げが制限され、１５４キロの体重が減ってしまっては相撲に影響が出るため、早期の手術を選択した。開腹ではなく、腹腔鏡が使われるため、数日で退院が可能。１週間ほどで日常生活に戻ることができ、来年の初場所（１月１３日初日）には影響はない。

　「夜も眠れなかった」激痛に襲われたのは１０月３日。翌４日になっても痛みが治まらなかったため、千葉・松戸市の病院に緊急入院した。一時は急性虫垂炎とされたが、その後の精密検査で、胆石との診断を受けた。その時点で、医師からは手術を勧められたが、九州場所が近づいていたこともあり、投薬で痛みを抑え強行出場した。

　さらに場所前には、右足首を負傷。満足にけいこできないまま場所入りし、初日は黒星発進となった。だが、この日は稀勢の里をもろ差しから寄り切り。「一番も勝てないと思っていた。これで少しは楽になる」表情にも明るさが戻ってきた。現在、痛みは消えているが、いつ再発するか分からない状況。満身創痍で土俵に立ち続ける。

　◆胆石　胆のうにできる結石（石のようなもの）。肝臓から分泌される、胆汁の成分が固まったことが原因となる。みぞおちや右脇腹に激しい痛みが出る。以前は、開腹手術が主流だったが、現在は、腹腔鏡といわれる内視鏡の一種を使い、腹に小さな穴を空けるだけで手術が可能。体へのダメージも少なく、数日で退院ができる。

参照元：スポーツ報知