沢屋敷アーツ倒せば１００万円…８日Ｋ―１ワールドＧＰ決勝

　Ｋ―１ワールドＧＰ決勝戦は８日、横浜アリーナでゴング。日本人唯一のファイナリストとなったシンデレラボーイ、沢屋敷純一（２３）＝チームドラゴン＝は、初戦であこがれのピーター・アーツ（３７）＝オランダ＝の胸を借りる。圧倒的不利が予想されるが、Ｋ―１人気の命運が懸かる和製ホープの奮起を期待して、谷川貞治イベントプロデューサー（４６）は、１００万円（推定）の勝利ボーナスを支給する考えを明かした。

　寒風吹きつける屋外公開記者会見で、沢屋敷はアーツと固く握手を交わした。自分にあこがれてキックの世界に入ったと聞けば、アーツも悪い気はしない。「いい選手だけど、僕の息子みたいな選手だね。息子と言っても彼のお母さんは知らないけどね」。大会最年長の余裕のジョークで約２０００人の観衆が沸いた中で、沢屋敷は照れ笑いを浮かべた。

　あこがれ故に、百戦錬磨のアーツ攻略が困難なことは、本人が一番分かっている。外国メディアから「あまりに力の差があるのでは？」と英語で質問が飛ぶと「その通りだと言って（訳して）下さい」と即答。個別会見でも「自分が上回っているところはないと思う」と断言するほどだった。

　だが、レ・バンナ撃破の快挙再現へ、期待は高まるばかり。谷川ＥＰはニンジン作戦をもって、奮起を促す考えだ。「アーツに勝つなら勝利ボーナスがあっても良いと思います。沢屋敷君が大好きなウルトラマンの怪獣人形を全部買ってあげてもいい。ＫＯで勝つのならば、なおさらでしょう」。会場を沸かせるＫＯ勝利には“ＫＯ手当”がつくが、勝利を条件とするボーナスはＫ―１ＧＰでは初となる。

　沢屋敷の指導者、前田憲作さん（３９）は、敵の十八番、ハイキックを封じる秘策も用意。狙うはレ・バンナに続く、二匹目のドジョウ、そして歳末の臨時ボーナスだ。

　◆シュルト宣言「絶対にＶ３」　前人未到のＧＰ３連覇を狙うセーム・シュルト（３４）＝オランダ＝は「絶対に達成するつもりで来た。誰が一番であるは明日になれば分かる」と余裕の笑みを見せた。だが、バダ・ハリ、チェ・ホンマンなど新興勢力は成長は目覚ましく、谷川ＥＰは「ＧＰ１５年目でも指折りの好カードがそろった。３連覇は簡単ではないと思う」と占った。

参照元：スポーツ報知