桃子号泣！誕生日Ｖ！帰国初戦で初逆転…サントリーレディス最終日

◆女子プロゴルフツアー　サントリーレディス最終日（１５日、兵庫・六甲国際ＧＣ、パー７２）　米ツアーから一時帰国した上田桃子（ソニー）が凱旋Ｖで２２歳の誕生日を飾った。２打差２位から３バーディー、３ボギーの７２にまとめ、通算７アンダー。初の逆転で今季初勝利、通算６勝目を挙げた。４日に亡くなった江連忠コーチの父・輝男さん（享年７０歳）にささげるとともに、応援に訪れた父・功一さん（５２）へ父の日の最高のプレゼントを贈った。前日首位の大山志保（３１）＝オンワード樫山＝ら３人が１打差の２位。

　５０センチのウイニングパットを沈めた瞬間、桃子はグリーン上にしゃがみ込んで泣き崩れた。練習拠点に隣接するホームコースへの恩返し、江連コーチの父・輝男さんとの約束、さらに自らの誕生日…。「いろんな思いが込みあげて、感情を止められなかったんです」と振り返った。

　練習仲間ら約２０人から３度受けた胴上げには、父・功一さんも加わっていた。「誕生日と父の日も重なって本当に最高です」米国から帰国直後での優勝は、０６年日本女子プロを制した宮里藍以来の快挙。会見後、主催者から５０人前という縦４０センチ、横５０センチの巨大な桃入りケーキを贈られ「やったー！」と大喜びした。

　ピンまで２０ヤードを残した１８番の第３打は、２段グリーンを駆け上がるスライスラインだった。「一番難しかった。最初は正直、イメージが出なかった」これまでならサンドウエッジで打っていたが、米国で５月上旬から転がしのアプローチを人一倍練習していた。７ヤード先に落としてうまくピン奥５０センチに寄せると、直後に大山がボギー。一進一退のマッチレースにケリをつけ「最後にアメリカでの成果を見せられました」と胸を張った。

　米ツアーでは２度の５位など、すでに来季のシード権を確定。だが、満足感よりも優勝争いでのミスばかりが記憶に残っている。「今日は同じように負けたくない」４月から帯同している浅井利彰トレーナー（２５）のもと、毎日３０分のランニングを欠かしたことはない。開幕前日の１１日に帰国して時差ボケも残る中、日ごろ培った体力が最後に生きた。

　日本でつかの間の休養を取った後は、２０日に渡米して海外メジャー第３戦の全米女子オープン（２６～２９日、米ミネソタ州インターラーケンＣＣ）に初出場する。「今度はアメリカで勝たなきゃ。もっともっと強くなって帰って来ます」再帰国予定の９月には、米ツアー優勝者として凱旋してみせる。強くなった桃子なら、必ず出来る。

参照元：スポーツ報知