朝青龍再来日し謝罪、初場所復帰に意欲

　母国モンゴルに治療のため帰国していた大相撲の横綱朝青龍（２７）＝高砂部屋＝が３０日午後、成田空港に到着、約３か月ぶりに再来日した。同日夕、東京・両国国技館で師匠の高砂親方（元大関朝潮）とともに記者会見に臨んだ朝青龍は「ご心配をおかけしました。心からお詫び申し上げます。これからも横綱として精一杯がんばります」と謝罪。初場所復帰を目指す意向を明らかにした。

　朝青龍は同日午前、ウランバートルを出発。午後３時ごろに紺色の着物姿で成田空港に降り立った。この時は、髪を後ろで結び、時折笑みを浮かべるなどにこやかな表情で、空港職員らに囲まれながら歩いた。到着ロビーでは無言のままで、報道陣からの質問にも応じなかった。東京・両国国技館に移動し、相撲診療所で主治医の高木洲一郎医師の診察を受けた後、高砂親方とともに会見に臨んだ。引き続き臨時の横綱審議委員会に出席し、事情説明と謝罪を行う予定。

　◆朝青龍に聞く
  ―現在の回復状態は
朝青龍「一時期かなり筋肉が落ちた状態だったんですけれども、トレーニングしながらいつもの状態に近づけて、日本に帰ってきました。ヒジは完全、まあそれくらい。腰の状態は（土俵で）けいこ中にわかると思います」
  ―解離性障害と診断され、治療にモンゴルを選んだのは
「ぼくのふるさとなんで。一時期他人に会うのがものすごくイヤな時もあったし、部屋に入っても一人でいたいという時があった。故郷で両親や子供、嫁さんが横についててくれて、精神的には落ち着きました。生まれたふるさとということで、精神的にはいい薬になったと思います」
  ―温泉治療の効果は
「去年の五月場所にけがをして、あの時も温泉治療をした。温泉治療は前からやってきた。まず精神的なことから治していかないといけないから、田舎に行った」
  ―モンゴルでサッカーをした理由
「今年がお国の建国３５周年で、最初はＴシャツを配るだけだったんですけれど、政府、モンゴルサッカー協会、大使館からどうしても出てくれと頼まれて出てしまったことです。故郷のためもあった。自分がやったことなので、自分に責任があります。自分が一番いけないと思います」
  ―謹慎処分についての考え
「しようがないだろうと思います。自分に責任があります」
  ―その時の気持ちは
「相撲が大好きなんで、とにかくショックを大分受けた。今はしっかり最初からやり直そうという気持ちです」
  ―謹慎期間のほとんどをモンゴルで過ごし、どんな治療を
「１か月半ぐらい、精神的なことが落ち着くまでハラホリンで治療して、街に戻ってきた後はイメージトレーニング、筋肉トレーニングをやった。今までそういう流れでやってきました。考えれば長い（期間）ですけど、時間を無駄にせずに、ちゃんとやってきた」
  ―相撲のトレーニングをしたのか
「感覚が全然違うけど砂やマットの上でやった。相手も、力士はいないけど体の大きな人とぶつかりげいこをやった。よくイメージしてやった」
  ―モンゴルで相撲中継を見たか
「できるだけ見ないようにしました」
  ―これから巡業が始まるが…
「自分の気持ちは、今まで通り相撲をやりたい」
  ―初場所から土俵に上がる気持ちがあるのか
「それも十分あった。そのために日本に戻ってきて、話とおわびをしたつもりでいます」  ―初場所で横綱らしい成績を収められるのか
「１月の初場所に間に合うように、今までやってきた。今はもう、そういう気持ちで頑張っていきたい」
  ―横綱の品格が問われている
「横綱というのはもっとすごい人だと思います」
  ―応援、気にかけてくれたファンへ
「長い間みなさまにご心配と迷惑をおかけして、心からお詫び申し上げます。これからも横綱として精一杯頑張ります」

参照元：スポーツ報知