朝青龍 錦飾って涙のＶ、白鵬とも“完全和解”…モンゴル場所千秋楽

◆大相撲モンゴル場所千秋楽　▽総合優勝決定戦　○朝青龍（上手投げ）白鵬●（２８日、ウランバートル・民族サーカス場）　夏場所千秋楽のにらみ合いから因縁が残る朝青龍（２７）＝高砂＝、白鵬（２３）＝宮城野＝が、“完全和解”した。モンゴル巡業の「お別れパーティー」が夜、市内のホテルで行われ、占い師・細木数子さんに「仲良くね」と促された両横綱は握手し、騒動以来では初めて熱い抱擁を交わした。２日間行われた史上初のモンゴル巡業は、朝青龍が涙の総合優勝で幕を閉じた。力士らは２９、３０日に分かれて帰国する。

　母国の地が、両横綱の溝を完全に埋めた。朝青龍と親交がありパーティーにも参加していた細木さんに「仲良くね」と、促されてがっちり握手した２人。だが、これだけでは終わらない。おもむろに歩み寄った朝青龍は、白鵬と抱擁を交わした。握手はこれまでも数回あったが、“抱き合った”のは四つで組んだ取組以外では初の出来事だ。

　お酒も入り上機嫌の朝青龍が「土俵の上では熱くなることがあるけど仲いいんだよね」と話すと白鵬は「そうですね」と、照れ笑いを浮かべた。夏場所千秋楽の取組後のにらみ合いから始まった遺恨は、熱い抱擁とともに雪解け。会の最後には締めのあいさつを行った両者は、一緒に三本締めを行う仲の良さだった。

　朝青龍自身が開催に尽力した巡業の大成功も、和解の一因だ。会場の民族サーカス場は２日間とも２７００人の満員御礼。２日目のトーナメント優勝者・朝青龍は、初日の覇者・白鵬との総合優勝決定戦を上手投げで制し凱旋Ｖを果たした。閉会式では涙を流し、モンゴル語で「相撲を愛する皆さんに感謝しています」と、あいさつ。「うれしくて涙が出ちゃったよ。本当に心から応援してくれた。どっちが勝ってもよかった。両方ともモンゴル出身で愛されている立派な横綱だから」と大人の対応を見せるなど、最高の形で“朝青龍場所”を終えた。

　名古屋場所で左ひじを痛め途中休場しているだけに、秋場所（９月１４日初日、両国国技館）は勝負の場所。「（母国の声援は）大きな刺激になり力を頂いた。とにかくけがを治して頑張ります」土俵外の因縁は消え、けいこに集中できる環境はできた。朝青龍の逆襲が始まる。

参照元：スポーツ報知