朝青「足は５０％今は厳しい」…横綱対決実現せず

横綱審議委員会による大相撲夏場所（５月１１日初日・両国国技館）のけいこ総見が２９日、東京・両国国技館で行われた。注目された朝青龍（２７）＝高砂＝と白鵬（２３）＝宮城野＝による横綱同士のけいこは実現せず、無料公開で詰めかけた５７０９人のファンは肩透かしを食ったが、相撲内容では朝青龍が白鵬を圧倒。２場所連続２３度目の優勝へ、好調ぶりをアピールした。

　朝青龍がいる土俵の中に、白鵬が足を踏み入れた。横綱対決実現か。ファンの期待は高まったが、朝青龍は一礼すると、土俵を下りてしまった。「足は５０％を超えたぐらい。正直、今は厳しい」春場所中に肉離れを起こした左ふくらはぎの状態を考慮しての決断だった。

　直接対決で優劣はつけられなかったが、内容だけを見れば朝青龍の“圧勝”。先に土俵に入ると、西関脇・琴奨菊（佐渡ケ嶽）ら若手を指名。東小結・稀勢の里（鳴戸）に寄り切られる場面もあったが、持ち前のスピードと厳しい攻めで９勝１敗。「番数は少ないけど、勢いある力士とやりたかったのでよかった」初日を見据えての調整に手応えを感じていた。

　一方の白鵬は、「足が悪いと言っていたので」と、望んでいた朝青龍戦が実現せず不完全燃焼。気を取り直して、東大関・琴光喜（佐渡ケ嶽）ら大関陣と８勝２敗。相手とぶつかった際、右下の奥歯が欠けるアクシデントもあったが、息が上がるなど調整不足を露呈した。それでも「十分でしょ。マイペースでやる方なので」と淡々としていた。

　朝青龍について、北の湖理事長（元横綱）は「内容があった」と評価。“天敵”内館牧子横審委員も「けがも問題なし」と脱帽。２３度目の優勝へ追い風が吹いてきた。

参照元：スポーツ報知