星野監督「重傷」キューバ戦の視察中止…右脇腹亀裂骨折の疑い

　【アムステルダム（オランダ）１０日】北京五輪野球の日本代表・星野仙一監督（６１）が、右脇腹を負傷するけがを負った。９日のキューバ・日本戦を視察中にテレビ局のロープにつまずき、鉄サクで右脇腹を強打。現地の病院で右脇腹打撲と診断された。亀裂骨折の疑いもあり、予定していたこの日のキューバ・オランダ戦の視察も当日の夕方に断念した。予定より２日早い１１日に帰国の途に就き、国内で精密検査を受け、まずは完治に全力を注ぐ。

　右脇腹の患部を固定するため、何本もテーピングが張られていた。「体の角度を変えたり、ひねったら痛いわ。（強打した）直後は話すこともしんどかった」痛みに強い星野監督が珍しく、顔をこわばらせた。

　突然、アクシデントに見舞われた。前日（９日）のキューバ・日本戦の視察中だった。球場の階段を下りようとした瞬間、テレビ撮影用のコードに足を引っかけ、前方の鉄サクに右脇腹を強打した。アイシングの応急処置を施したが、痛みが引かないため、視察を途中で取りやめて現地の病院へ直行。エックス線による精密検査を受け、右脇腹の打撲と診断された。

　宿舎に戻り、大学日本代表のトレーナーにテーピングなどの処置を受けた後、広報に抱きかかえられるようにしてベッドに入った。「痛み止めの薬を飲んで寝たから、一番よく寝たわ」と笑ったが、患部の症状は深刻。「打撲だけど、折れとるよ。ヒヤリじゃない。重傷だろう」と、自ら亀裂骨折の可能性を示唆。「日本に戻ってから診ないと分からん。もう一度病院に行く」１３日にオランダをたつ予定だったが、２日早めて１１日に帰国の途に就くことに変更。再び精密検査を受け、静養に努める予定だ。

　６日にオランダ入りしてから、星野監督に災難が相次いだ。ホテル近くを散歩中に左足首をねん挫。大事に至らなかったが、今度は、最大の目的だったキューバ戦の視察が２日連続で雨天中止。「以前にオランダに来た時は携帯電話を落とした。方角が悪い」と吐き捨てるように言ったほど。上半身の曲げ伸ばしが全くできない状態でもこの日のキューバ・オランダ戦を視察するつもりでいたが、最終的には体調面を考慮して断念。田淵ヘッドら３人のコーチ陣だけが、球場へ向かった。

　結局、キューバ戦を視察できたのは前日（９日）の２試合だけ。「ＤＶＤとナマで見るとは違うからな」１次リーグ初戦の結果が金メダル取りを左右するだけに、指揮官にとっても残念なはず。さらに患部には亀裂骨折の疑いまであるが「オレはこれだけ、あればいいんや」と自らの口を指さして笑った。本大会の開幕まで１か月あまり。指揮官はまず、患部の完治に全力を注ぐ。

参照元：スポーツ報知