憲剛が本になる！高原以来の現役選手半生記

川崎の日本代表ＭＦ中村憲剛（２８）のサッカー人生を描いた書籍が、講談社から出版されることが８日、明らかになった。２部作となり、３月に「中村憲剛のスルーパスの極意（仮題）」という技術編、８月に都立高出身の無名選手が日本代表選手にまでなった半生を描いた「人生」編が出版される。現役選手のサッカー人生を描いた本が書かれるのは、浦和ＦＷ高原直泰（２９）ら数例で、異例のこと。憲剛も全面協力して発売される。

　日本代表の主力にまで成長した憲剛だが、０３年に川崎へ練習生から入団したときは、全くの無名選手だった。今では岡田ジャパンでも稀有（けう）な存在に成長。それが書物となることになった。日本代表の中村憲剛はいかに生まれたか。２部作のうち、８月に出版される人生編については、憲剛も企画段階から乗り気だった。

　「プロに入るまで、背も低かったし、（地区の）選抜にも入ったことがない。でも、代表になれた。小さくても、あきらめずに頑張ればできるというのを知ってほしい。エリート以外の人のほうが多いんだから」憲剛は、自身の歩んできた道を中高生に伝えたかった。

　書き手は、ミズノスポーツライター賞優秀賞を獲得したことのある作家の森沢明夫氏（３９）。昨年１１月から取材が始まった。憲剛は「まだ終わってないけど。出来上がりが楽しみ」と、全面協力している。現役選手の半生記が出版されるのは、あまり例がなく、現在の日本代表では初のことになる。

　３月に出版される第１部の技術編では憲剛の企業秘密が明かされる。本人がスルーパスのコツを写真と図解入りで説明する構成で、ほかのテクニックも惜しげもなく披露する。憲剛は「普段からやっていることだから隠す必要もないしね」と、話した。

　憲剛は１０日、日本代表の鹿児島合宿へ合流する。欧州組、Ｇ大阪勢がいないため、メンバー中４番目の年長となる。ベテランの域に入りつつあるが、「今年は大事な年。僕もレベルアップしないといけない」と、向上心は尽きない。２０日のアジア杯予選イエメン戦（熊本）でも、中高生に、成長した姿を見せる。

参照元：スポーツ報知