就任前向き！岡田ジャパン１２・１８始動も

岡田ジャパンが誕生する。日本サッカー協会は２７日、脳梗塞（こうそく）で入院中の日本代表イビチャ・オシム監督（６６）の後任として、本紙既報通り、元日本代表監督の岡田武史氏（５１）に就任を打診し、前向きな回答を得ていることを発表した。日本協会・小野剛技術委員長（４５）は緊急事態を打開するため、岡田氏のカリスマ性を高く評価したことを明かした。来月３日の常務理事会、７日の理事会を経て正式決定する。第２次岡田ジャパンは、早ければ年内に静岡県内で候補合宿を行い、スタートを切る。

　日本サッカー界の大ピンチに、岡田氏が再び立ち上がる。

　１６日未明にオシム監督が倒れてから１２日目。日本協会・小野技術委員長は、次期日本代表監督として岡田氏を擁立するまでの内幕を明かした。

　「オシム監督の早い回復を祈るしかありません。ただし、回復したとしても心身に大きなプレッシャーがかかるＷ杯予選、本戦に送り出すことは難しい。つらい仕事だが、後任監督のことを考えなければなりませんでした。第一に考えるのは岡田さんしかいません。２０日に最初の打診を行い、前向きな感触を得ました」

　名将オシム監督が倒れるという緊急事態。「このような時は強烈なリーダーシップが必要。強い求心力、カリスマ性です」小野委員長は岡田氏に白羽の矢を立てた理由を明確に説明した。

　「考えて走る」オシム・サッカーを岡田氏はどのように引き継ぐのか。「前任者のサッカーで後任者をしばることは意味がない。オシム監督の土台を大切にしてもらい、その上に（岡田氏の）個性を付け加えてほしい。土台とは日本人の良さを引き出すことです」小野委員長は、岡田氏の手腕に大きな期待を寄せた。

　今、歴史は繰り返された。９７年１０月、フランスＷ杯アジア最終予選カザフスタン戦で日本は後半ロスタイムに同点にされた。直後、加茂周監督が更迭され、岡田コーチが監督に緊急昇格。それから１０年…。大ピンチの日本代表を岡田氏が再び救うことになった。当時、代表チームの偵察担当で岡田氏の監督昇格とともにコーチに就任したのが小野委員長。「不思議なものを感じる。ここで日本サッカーを何とかしなければならない。それを岡田さんにも訴えました」と小野委員長は話した。

　第１次岡田ジャパンは、絶体絶命のピンチを脱出。アジア予選プレーオフのイラン戦でＶゴール勝利。いわゆる“ジョホールバルの歓喜”で初のＷ杯切符を手にした。

　第２次岡田ジャパンにかかる期待は、より大きい。Ｗ杯アジア予選突破はもちろんこと、第１次体制では３戦全敗に終わったＷ杯本戦での上位進出が使命となる。日本中のサポーター、そして、オシム監督が岡田氏を見守っている。

参照元：スポーツ報知