夢のヨナ世界新！ＳＰダントツ７２・２４…四大陸選手権第１日

◆フィギュア・スケート２０１０年バンクーバー五輪プレ大会　四大陸選手権第１日（４日、カナダ・バンクーバー、パシフィック・コロシアム）　女子ショートプログラム（ＳＰ）で、金妍兒（キム・ヨナ、１８）＝韓国＝が“世界新”発進した。２連続３回転など高難度のジャンプをすべて成功させ、７２・２４点をマーク。自身が持つＳＰの世界最高得点を更新し、２位以下に大差をつけて首位に立った。日本勢は村主章枝（２８）＝ＡＫ＝が６０・１８点で４位につけたのが最高。鈴木明子（２３）＝邦和スポーツランド＝は５５・４０点で９位。

　目を見開く挑発的なポーズでヨナがフィニッシュすると、会場は大歓声に包まれた。自身が０７年３月の世界選手権で出した女子ＳＰの世界最高得点（７１・９５点）を上回る“世界新”。「昨年から故障を抱えていたので、この大会はベストの状態で臨もうと思って準備した。自己最高点を出せてうれしい」と喜びを爆発させた。

　冒頭の３回転フリップ―３回転トーループを高く幅のあるジャンプで跳ぶと、３回転ルッツ、２回転半と３種類のジャンプを完ぺきに成功させた。ジャンプ以外のステップ、スピンでも最高のレベル４を４つも獲得。妖艶（ようえん）な表情で表現力を示す５項目もハイレベルな７点台をそろえ、ライバルの真央に１４点以上の差をつけた。

　昨年１２月に地元・韓国で行われたＧＰファイナルでは、ＳＰで首位に立ちながらフリーで真央に逆転を許した。今季２度目の直接対決に向け「韓国ではプレッシャーがあって考えすぎてしまった。今回は楽しく滑ることを心がけている」と“ガラスのハート”を返上。ブライアン・オーサー・コーチも「精神的な部分でひとつの壁を打ち破った感じがする」と成長を指摘した。

　１年後の五輪でベストの力を発揮するため、今季は２月に調子のピークを持っていく作戦を試すなど、本番に向けての準備もぬかりない。

　真央が５７点台に終わっても「自分のことに集中している。今季はまだフリーをミスなしで乗り切れていないので、きっちり準備をしたい」と気を引き締めた。五輪の舞台となるリンクでさらに自信を深めるつもりだ。

参照元：スポーツ報知