俊輔“教授”が秘策教えます…豪戦へ勝ち点３自信

１１日に南アＷ杯アジア最終予選、対オーストラリア戦（日産ス）を控える日本代表ＭＦ中村俊輔（３０）＝セルティック＝が５日、帰国した。岡田武史監督（５２）は６日の昼食までに千葉県内のホテルに入るよう指示していたが、俊輔はこの夜チェックイン。司令塔は強敵を徹底分析し、同僚に攻略法伝授を宣言。自らの著書「察知力」が大学入試に取り上げられた“俊輔教授”が勝ち点３奪取に教鞭（きょうべん）を執る。

　天王山必勝への気合がみなぎった。「泥臭いプレーでも何でもとにかく勝ち点３を取る」５日朝、グラスゴーから家族同伴で帰国した俊輔は、決然と語った。フィンランド戦を終えた岡田ジャパンはこの日はオフで６日の昼食までに千葉県内のホテルに再集合することになっている。司令塔も完全休暇を許されていたが、午後１０時頃、極秘裏にホテル入り。代表スタッフや岡崎ら一部選手と“合流”した。

　「帰国が一日でも早い方がいろいろなコミュニケーションが取れる。試合を想定して、細かい部分を話したい」予定より４日も早く凱旋した俊輔は即日合流の目的を語った。オーストラリア相手に、０６年ドイツＷ杯初戦の逆転負け（１―３）と０７年アジア杯準々決勝のＰＫ戦勝利を経験した男は独自に宿敵を分析。その『傾向と対策』を仲間に伝授するためだ。時間は１分でも多く欲しい。

　最大のテーマは０９年代表戦全３試合で失点し、不安を露呈した守備面だ。「相手が３トップでくると怖い。３人に対し４バックで数的有利と思ってもブレシアーノ（パレルモ）とケーヒル（エバートン）が中央に絞る。日本のサイドはそこまで絞ることはできない。どうするか」ロングボールが身長１９４センチのケネディ（カールスルーエ）の頭を経由し、２人のエースが接近する。「強烈なシュートを狙う。しかも、結構入る。相手はそこしか狙っていないから」Ｗ杯の逆転負けもケーヒルの一撃が発端だった。

　説得力がある。昨年発売し、２０万部を突破した自著「察知力」（幻冬舎）が昨年末の大阪産業大学の入試問題に採用されていた。人間環境学部スポーツ健康学科の公募推薦枠の小論文試験。選手の著書が大学入試に使われるのは異例で、未来のアスリートも俊輔の言葉を考察した。「スポーツ選手の著書が入試に使われるのは珍しい。中村選手の知名度やキャリアも影響した」と関係者。“俊輔教授”の分析力が勝ち点３奪取に道を示す。

参照元：スポーツ報知