勢い安馬って大関取り宣言…大相撲名古屋場所４日目

◆大相撲名古屋場所４日目　○安馬（寄り切り）豊ノ島●（１６日・愛知県体育館）　関脇・安馬（２４）＝伊勢ケ浜＝が、小結・豊ノ島（２５）＝時津風＝を寄り切って４連勝を飾った。取組後には大関を狙うと宣言。５日目に大関・千代大海（３２）＝九重＝を破り、土台を固めていくつもりだ。横綱・朝青龍（２７）＝高砂＝は２日目から３連勝。全勝は横綱・白鵬（２３）＝宮城野＝、安馬、平幕の栃煌山（２１）＝春日野＝の３人となった。

　強い。安馬の鋭い出足に、館内からため息が漏れた。立ち合い、右上手を引くと、頭をつけて相手の上体を完全に起こした。あまりの強烈な右からの攻めに、好調の豊ノ島が得意とする左の差し手を抜いてしまうほどだった。「自分のペースで取ることだけを考えた」。三役同士の全勝対決を制しても、笑顔も見せず気持ちを引き締めた。

　初日からの４連勝は、初の２ケタとなる１１勝を挙げた０６年秋以来２度目。久々の快進撃にも笑みはない。「勝ち越しだけでは満足できない。上を目指している」。昨年春から９場所連続で三役を務め、ここ５場所は連続で勝ち越し。場所前、師匠の伊勢ケ浜親方（元横綱・旭富士）から「上を狙え」とゲキを受けた。大関を狙うからこそ、４連勝で満足はできない。　場所前、いとこのガンバートルさん（２６）が母国モンゴルの国民的祭典「ナーダム」で開かれたモンゴル相撲で準優勝に輝いた。「一族で初めて準優勝した。感動した」。今年１月、ガンバートルさんが来日した際、都内のジムでともに汗を流して互いの活躍を誓った。「自分もやらないと」いとこの活躍が、連勝の活力だ。

　大関昇進には三役で３場所３３勝以上が目安となるだけに、今場所は土台を固める場所だ。５日目は大関・千代大海戦。今場所初めて上位にぶつかる。北の湖理事長（元横綱）は「全勝力士の中で一番内容がいい」と絶賛。琴欧洲の綱とりが切れた名古屋で、安馬の大関への芽が膨らもうとしている。

参照元：スポーツ報知