中田Ｋ斬りも 由規ボコボコ半泣き…ヤクルト

◆日本ハム５－３ヤクルト（６日・札幌ドーム）　１５７キロ右腕がプロの洗礼を受けた。ヤクルトの高校生ドラフト１巡目ルーキー・佐藤由規投手（１８）＝仙台育英＝は６日、日本ハムとのオープン戦（札幌ドーム）に３番手として登板。中田との対決はオール直球勝負で空振り三振に仕留めたが、２回を投げ８安打５失点と炎上。初黒星までつき、ホロ苦いオープン戦デビューとなった。

　迷いなく投げ込んだ直球は、糸を引くように米野のミットに吸い込まれた。悔しさに顔をゆがめる怪物を、由規がマウンドから見下ろす。すべて真っすぐの“４球勝負”。０―１から１４４キロ、１４８キロ、１４８キロで３球連続空振りを奪い、中田とのルーキー対決に決着を付けた。バットにかすらせもしない完勝。しかし、見せ場はそこだけだった。

　プロの壁が立ちはだかった。マウンドに上がった６回、四球と安打でいきなり無死一、三塁のピンチを背負うと、暴投であっさりプロ初失点。さらに金子誠の中前適時打で２点目を許した。７回には先頭の田中賢からの４連打を含めて６安打を浴びると、２つの盗塁とサインミスからの暴投も重なり３失点。ストレートも最高１４９キロにとどまり、２回を８安打５失点の内容に「自分でも慌てた部分もあるし、ただ投げるだけになってしまった。完全にのまれたような感じでした」と唇をかんだ。

　オープン戦で高卒ルーキーが対戦するのは、９９年の松坂（当時西武）対小池（横浜）以来、実に９年ぶりだった。「初球真っすぐとは言ってたけど、（全球真っすぐは）勢いというか…。やる前は嫌でも意識したけど、実際にマウンドに上がったらそこまでは意識しなかった。結果があれなんで、勝ったとは思ってないです」。ライバルとの初対戦を、楽しむ余裕はなかった。

　左足首に違和感を抱え、２月２５日から１週間はブルペンでの投球を行えなかった。注目対決とあって、突貫工事で臨んだオープン戦初登板。高田監督は「しょうがないね。あれだけ変化球でストライクが取れないとね。次は神宮で先発させる。生き残りをかけてやってるから、彼もその１人」。もう一度チャンスを与えることを明言した。次は１３日のソフトバンク戦（神宮）が有力。厳しい争いを生き抜くには、本拠地のマウンドで結果を残すしかない。

参照元：スポーツ報知