尚子入念下見３時間半…名古屋国際女子マラソン

北京五輪代表最終選考会となる名古屋国際女子マラソン（９日・瑞穂陸上競技場発着）で、２大会ぶりの五輪出場を目指すシドニー五輪金メダリスト高橋尚子（３５）＝ファイテン＝が７日、“闇夜のコースチェック”を行った。この日午後に名古屋入りすると、練習を兼ね、夜まで３時間半をかけて、コースすべてを下見。過去２度の優勝で熟知しているはずのコースを入念に下調べし、レースにかける意気込みを見せた。

　日が暮れて夜になっても、Ｑちゃんは宿舎のホテルに帰って来ない。練習を終えたほかの出場選手は、私服に着替えて次々に食事へ出かけていく。ようやく戻ってきた時は、午後７時半であたりは真っ暗。午後４時前にホテルを出て３時間半もかけた、異例の長さのコースチェックだった。

　「コースを全部見てきました」。この日は、拠点としている千葉県内で朝練習を終えた後、午後３時に名古屋入り。待ち受けた約４０人の報道陣を「ハプニング？　いろいろありましたよ」とケムに巻き、休む間もなくジャージーに着替えて、ホテルを出た。コースに近い名古屋城周辺を約１０キロ走った後、車で下見に。移動時間を差し引いても、自分の足でフルに走ったのとあまり変わらない時間をコースチェックにかけたようだ。

　名古屋は過去２度出場し、９８年大会で２時間２５分４８秒の当時日本最高で優勝、００年大会も大会最高記録となる２時間２２分１９秒で優勝し、シドニー五輪切符を取った知り尽くしているはずのコース。しかも、日が落ち、路面もよく見えないが…。「覚えているけど、思い出す意味を込めました」８年前にはいなかったチームメンバーと戦略を練るとともに、優勝当時の感覚を振り返る、初心に戻るためのイメージトレーニングだったのかもしれない。

　体の方は８年前の調子に戻ったか？　と聞かれた高橋は「今は今なので今の全力を尽くします」と断言。イメージは８年前でも環境も肉体もあの時とは違う。２００８年の高橋尚子として、ベストの走りを目指す。

参照元：スポーツ報知