上原、豪雨４６分中断なんの連続Ｋ締め復活Ｓ！巨人復活自力Ｖ！

◆ヤクルト５―６巨人（１１日・神宮）　上原が土壇場で意地を見せ、首位・阪神に０・５差と迫った。９回のピンチから急きょ登板した守護神は、激しい雨の影響で、川本に３ランを浴びて１点差に迫られなお１死一、三塁の大ピンチ。ここで４６分間の中断となったが、気持ちを切らさず、再開後に連続三振で締めて２８セーブ目。ここ２試合連続で救援失敗した悔しさを晴らした。上位の阪神、中日がともに敗れたため、２位に浮上するとともに自力Ｖも復活。１２球団一番乗りで７０勝もマークした。１２日にも再奪首だ。

　両手でグラブを叩き、派手にガッツポーズを作った。フルカウントからのフォークにラミレスのバットが空を切り、上原が感情を爆発させた。９回１死一、三塁から、連続三振でのゲームセット。土壇場で、守護神が底力を発揮した。「よかったよ、ホント。（中断で）気持ちを切らさないようにした。開き直った」ベンチ前では両手を合わせ「ごめんなさい」のポーズも、心の底からホッとしたような表情だった。

　４点リードの９回無死一、二塁の場面から、ベンチは上原を投入した。豊田が連打を浴び、ブルペンで肩を作り直しての緊急登板だった。しかも、小雨がどしゃ降りに変わっていく最悪の環境。１死後、川本にまさかの３ランを浴び１点差に迫られた。その後、城石、青木の連打で一、三塁と長打でサヨナラのピンチを招き、原監督が今季初めてマウンドに向かい「同点でもいい」と守護神に声を掛けた。

　雨脚は強まる一方で、ここで審判団が協議し、試合中断を決めた。「いいコンディションで勝負したかった。あのままではフェアではないし、ジャイアンツにとって悔いが残る。（審判には）『何分でも待つ』と言った」原監督は舞台裏を明かした。４６分の中断後、試合は再開。マウンドに向かったのはもちろん、上原だった。「（上原）本人もオレも代える気持ちはまるでなかった」と指揮官がいえば、尾花投手総合コーチも「彼の力を信じるしかない」。連続三振の幕切れは、確かに上原にしかできない離れ業だった。７日からの阪神３連戦（東京ドーム）で２度、救援に失敗した悔しさを見事に晴らして、５日の中日戦（ナゴヤドーム）以来の２８セーブ目をマークした。

　猛虎にまさかの３タテを喫し、残り１７試合となった９連戦を前に、原監督はナインにこう語りかけた。「阪神には苦汁を飲まされたが、今度の甲子園でやり返そう。今日からはまた新たな気持ちで戦っていこう」阪神戦を引きずっている場合ではない。白星を重ね、リベンジすればいい。そんな檄だった。最後はもつれたが、リスタートをとにかく白星で飾り、セ・リーグ一番乗りで７０勝に到達した。

　阪神、中日がともに敗れ、首位・阪神とは０・５ゲーム差に迫る２位に浮上し、自力Ｖが復活した。今季初めて３試合連続失点となった上原は「いらん点をやりすぎなんで考えないと」と繰り返した。それでも指揮官は「上原はよく抑えた。この勝ちをあしたにつなげますよ」と次を見据えた。壮絶なデッドヒートはまだ終わりではない。劇的な勝利が、再進撃の幕開けとなる。

　巨人・原監督「上原がよく抑えてくれた。（審判には）いいコンディションで勝負したい、何分でも待つ、と言った。あのままやっていたらフェアじゃない。（上原を）代える気持ちはまるでなかった。この勝ちを明日につなげますよ」

参照元：スポーツ報知