一貴１６位ほろ苦デビューも巻き返せる！！…Ｆ１第１戦オーストラリアＧＰ

◆Ｆ１第１戦オーストラリアＧＰフリー走行（１４日、アルバートパーク・サーキット＝１周５・３０３キロ）　中嶋ジュニア１６位スタート―。今季からフル参戦する元Ｆ１ドライバー・中嶋悟氏（５５）の長男・一貴（２３）＝ウィリアムズ・トヨタ＝は、フリー走行２回目で１分２９秒０７７の１６位と、低調な滑り出しとなった。ルイス・ハミルトン（２３）＝英国、マクラーレン・メルセデス＝がトップ。佐藤琢磨（３１）＝スーパーアグリ・ホンダ＝は２１位だった。レースは１５日に予選、１６日に決勝を行う。

　気合十分で午前中のフリー走行１回目に臨んだ中嶋ジュニアだったが、冬のテストで問題のなかったギアボックスにいきなりトラブルが発生。わずか３周でピットインする不運に見舞われた。問題の解決した午後のフリー走行２回目も、緩いカーブでコースアウトするなど、４６度まで上昇した路面温度と強風に悩まされ、同僚ロズベルグに０・７２５秒差をつけられての１６位に終わった。

　ウィリアムズの第３ドライバーとして参加した昨年のオーストラリアＧＰでは、雨中のフリー走行１回目で６位と好走。正ドライバーに昇格して迎えたこの日は、１年間の成長ぶりを見せつけるはずだったが、「あの時とは天気も気温も違う。風も強いし、難しかった」と淡々とほろ苦デビューを振り返った。

　それでも「午後はもう一度、サーキットを学び直すところから始めた。コースの攻略法？　まだ完ぺきではないけど、ある程度はつかめた」と話すなど、手応えはつかんだ様子。「今晩しっかり今日のことを整理して、いい準備ができたら、予選ではいい走りができると思う」と巻き返しに自信をのぞかせる。

　「予選が終わった時に、１００％の力を出し切ったと言いたい」。苦しい滑り出しにもかかわらず、表情に焦りの色は見られない。一貴が真価を発揮する時は、徐々に近づいている。

　◆トゥルーリ７位トヨタまずまず　○…トヨタはトゥルーリが７位、グロックが１０位とまずまずの滑り出しを見せた。トヨタの新居ディレクターは「タイムはボチボチ。去年よりはいい」とコメント。バトンが１１位、バリチェロが１４位に入ったホンダの中本シニア・テクニカル・ディレクターは「予想外の気温だったので、他チームとの比較はできない」と語るにとどまった。

　◆琢磨２１位も満足　○…資金難により開幕直前まで参戦が決まらなかったスーパーアグリの琢磨は２１位とさえなかったが、「シーズン初日をスタートできてうれしい」と前向きなコメント。「マシンに乗ること自体、久しぶりだった。トラブルらしいトラブルはなかったし、こういう状況で迎えた開幕戦としては、上出来だと思う」と、満足感を漂わせていた。

参照元：スポーツ報知