ミルコ５６秒殺！水野を粉砕…ＤＲＥＡＭ．１旗揚げ戦

◆ＤＲＥＡＭ．１（１５日、さいたまスーパーアリーナ）　ミルコ・クロコップ（３３）＝クロアチア＝が、約１年半ぶりの日本リング復帰戦を白星で飾った。柔道家出身の水野竜也（２６）＝Ｕ―ＦＩＬＥ　ＣＡＭＰ＝を１回５６秒で瞬殺。旧ＰＲＩＤＥとＨＥＲＯ’Ｓが合併して誕生した日本最大の格闘技大会で初代ヘビー級王者を狙うことを明言した。メーンの青木真也（２４）＝パラエストラ東京＝対Ｊ・Ｚ・カルバン（２４）＝ブラジル＝は試合中の青木の負傷により、ノーコンテストとなった。 　ミルコが誇る破壊力は健在だった。先制の右のひざ蹴りは、ガードの上からでも水野の顔面をゆがませた。さらに脳を揺さぶる右フックをこめかみに当て、崩れ落ちた敵に、左こぶしを４、５発振り下ろしてレフェリーストップ。「故郷に帰ってきたような気分だ」ＰＲＩＤＥ無差別級ＧＰを制した０６年９月１０日以来のさいたまスーパーアリーナ。ファンは歓声でミルコ復活を歓迎した。 　夢を追って昨年移籍した米国最大団体・ＵＦＣでは無名の選手に連敗。六角形の金網での試合がなじまなかったのが最大の理由だが、ミルコ衰退説は日本、クロアチアのみならず全世界に流れた。だが「ＵＦＣでは精神と肉体のバランスが崩れていたんだ」と言い訳はしなかった。数々の栄冠をつかんだ日本を再起の地とすることに迷いはなかった。 　勝利の喜びは一刻も早くザグレブの家族に伝えたかった。生中継を見終えてかけてきた家族からの電話に、記者会見中にもかかわらず携帯電話を取り出した。だが、無名選手に勝ったところで完全復活とはまだ言い難い。「今度はもっと強い相手と戦う。これからも、このＤＲＥＡＭのリングで戦い、ヘビー級チャンピオンを目指します」合併新団体のエースにはＫ―１、ＰＲＩＤＥ両リングで伝説を築いてきた男がふさわしい。 　◆桜庭も登場　○…４月２９日にさいたまスーパーアリーナで開幕戦を行うミドル級ＧＰの出場決定選手が紹介され、桜庭和志（３８）＝Ｌａｕｇｈｔｅｒ７＝も船木誠勝（３９）ら他選手とともにリング上へ。だが「大会の試合には出ますが、すねに小さなカサブタができて血が止まらないので」と独特の言い回しでトーナメント回避の意向を示した。０６年大みそかの反則事件の相手、秋山成勲（３２）がエントリーされたため、敬遠した可能性もあるが、本音は語らなかった。 参照元：スポーツ報知