ハニカミドリーム！遼「マスターズ優勝」…プロ転向会見

　男子ゴルフの石川遼（杉並学院高１年）が１０日、都内のホテルでプロ転向を宣言し、１６歳３か月の史上最年少ツアープロが誕生した。海外メディアや外国通信社も含め約３００人の報道陣が詰めかけた会見で、石川は英語で夢の「マスターズ優勝」を誓った。世界最年少優勝を成し遂げている注目のスーパールーキーを巡って、今後は未定となっている所属先、クラブ契約、ＣＭ出演など数十億円の“争奪戦”が繰り広げられる。

　「今日からプロゴルファーの石川遼です。これからもよろしくお願いします」テレビカメラ３０台、スチールカメラ５０台のフラッシュを浴びながら宣言。その後、約３００人集まった報道陣を前にツアーメンバー登録書に「石川遼」とサインし、正式に１６歳３か月の史上最年少プロが誕生した。

　今月３日。父・勝美さん（５１）から「（勉強とゴルフを両立する）今の生活が出来るなら大丈夫」とプロ転向へＧＯサインをもらった。「その言葉が大きかった」と石川は言うが、実は昨年１２月中旬に「年明けにプロ転向します」と近い関係者に打ち明けており、気持ちは固まっていた。

　そんな愛息に父は「トンビがタカを産んだのではなく、トンビが産んだのはトンビ。それがタカになろうとしていく、その努力を認めていこうと思う」。親として最大限にバックアップしていく覚悟だ。

　１６歳の決断は世界にも伝えられた。北米だけでも９００万世帯が視聴するゴルフ専門テレビ局・ゴルフチャンネルは米国時間８日のゴールデンタイムのニュースで、昨年５月のマンシングウェアＫＳＢカップで石川が優勝した映像を流しながらプロ転向を伝えた。この日の会見も早ければ１１日朝に放送されるという。

　そのため英語での決意を求められた。予想もしなかった質問に一瞬、顔をこわばらせたが「Ｉ　ｗａｎｔ　ｔｏ　ｐｌａｙ　ｗｉｔｈ　Ｔｉｇｅｒ　ｉｎ　ｆｕｔｕｒｅ（将来、タイガーと一緒に回りたい）」。そして単語を確認しながら、小学４年生からの夢を「Ｉ　ｗｏｕｌｄ　ｌｉｋｅ　ｔｏ　ｗｉｎ　Ｍａｓｔｅｒｓ（マスターズで優勝したい）」と、ハニカミスマイルで答えて見せた。

　また今後は、膨大な石川マネーが動くのは必至だ。石川の優勝後の経済効果は約５９億円ともいわれ、会見には電通、博報堂、東急エージェンシーといった広告代理店社員たちがズラリ。所属契約は、米ツアーで参戦中の丸山茂樹が、０３年にトヨタ自動車と３年５億円で結んだのと同レベルの契約が交わされる見込み。それに加え、１社１億円といわれるＣＭやスポンサー、ウエア、クラブといった契約を含めれば、総額数十億円を超えるともいわれている。

　「自分の最高の夢をかなえるためにまた一つ前進した」と石川。体調面などを考慮しつつ、今季は昨年の８試合の倍に近い１５試合に出場予定で、脚光を浴びる中でプロ元年のスタートを切った。

参照元：スポーツ報知