１８歳中井、開幕三塁だぁ！「第２の坂本」育成へ原監督密着指導

巨人・原辰徳監督（５０）が「第２の坂本」育成へさっそく乗り出した。１８日、東京よみうりランド内のジャイアンツ球場で行われた秋季練習で、来季の正三塁手候補として期待する高卒１年目の中井大介内野手（１８）をつきっきりで２時間に及ぶ熱血指導。今季、プロ２年目の坂本はじめ、越智、山口ら若手を次々抜てきし、１軍の主力へ育て上げた手腕を再び発揮し、チームの底上げを図る。今オフは、ＦＡ補強を封印し、素質のある若手を鍛えることで、日本一奪回への戦力を整える。

　張りつめた２人の空間に、誰も近づけない。大きなジェスチャーを交えながら打撃指導を繰り返す原監督に、中井は何度もうなずいた。ティー打撃、フリー打撃を終えると「中井、上に来い」と声を張り上げた。マンツーマン指導の第２ラウンドは、室内練習場で行われた。

　中井は今季、高卒１年目ながら、２軍で打率こそ・２６７にとどまったが、チームトップの５０打点、本塁打は同２位の１０本をマークした。大きな可能性を秘めた中井のスイングに、指揮官のボルテージは上がる一方。自ら打撃投手を務め「軸を意識しろ」「インパクトで力むな」「重心はへその下に置け」と一球一球に声を飛ばし、１１６球も投げた。「わがジャイアンツに来て羽ばたかなきゃね。すべてにおいて勉強だよ」と指揮官は息を切らした。

　サブグラウンドでの守備練習でもノックバットを持ち、左右に打ち分けるなど合わせて２時間に及ぶ密着指導。中井は「緊張というか、いつも以上に頭を使いました。期待に応えられるようにしたい」と感謝した。

原監督は今春の宮崎キャンプから、その高い潜在能力に注目。「ガッツ（小笠原）に続く大型サードになれ」と激励し、シーズン中盤には指揮官自らが「ファームの４番」で起用するよう２軍の首脳陣へ指示を出した。オープン戦から日本シリーズまでの全１７０試合に先発出場した坂本と同じく、１年間故障もなく乗り切ったその強い体にも高く評価している。

　今オフ、ＦＡ補強をしない方針を固めたチームは、若手育成に重点を置いている。その目玉が中井だ。原監督は「未来はすぐだよ。今の野球では未来とは近々のことをいう。高い仕入れ値で（巨人に）来てるんだから」と、独特の言い回しで、来季の三塁手候補であることを表現した。

　もちろん、中井もその気十分。１０代で開幕スタメンを勝ち取り、そのまま遊撃のポジションを奪った坂本に続けとばかりに「開幕１軍を狙いたい。レギュラーを脅かす存在になりたいです」と言い切った。越智、山口ら若手の底上げを成功させてリーグ連覇を果たした原巨人が、来季もヤングＧをチームの活性剤に日本一を奪回する。

　◆中井　大介（なかいだいすけ）
  ▽生まれ＆サイズ　１９８９年１１月２７日、三重・伊勢市生まれ。１８歳。１８０センチ、８４キロ。右投右打。
  ▽球歴　宇治山田商のエースとして０７年夏の甲子園に出場。２回戦で優勝した佐賀北と対戦。延長１５回引き分け再試合の後、１―９で敗退。２試合合わせて１６回２／３、２７２球の熱投も報われなかった。同年秋の高校生ドラフト３巡目で巨人に入団。
  ▽趣味　読書、音楽鑑賞。
  ▽マイブーム　朝食で、ご飯の上に目玉焼きをのせて食べる。部屋でガムをかむこと。
  ▽好きな女優　香里奈（昔は加藤あい）。
  ▽ビッグマウス　今夏のフレッシュオールスター前日、「明日はＭＶＰ取りますよ。賞金（１００万円）はどうしようかな」と発言。実際、１本塁打を含む３安打３打点。巨人選手として４５年ぶりのＭＶＰ獲得はならなかったが、優秀選手賞を獲得。
  ▽親思い　料理が趣味の父・美明（よしあき）さんに、優秀選手賞の賞金５０万円で高級調理器具一式をプレゼントした。

参照元：スポーツ報知