虎、三浦に絞った！２０日ＦＡ交渉解禁

虎はノーモア福留―。阪神が、今オフのＦＡ補強を横浜・三浦大輔投手（３４）の獲得に一本化することが１８日、明らかになった。中日・川上憲伸投手（３３）もＦＡ宣言したが、現時点ではメジャー志向が強いと判断。昨年も同様のケースで福留（カブス）に逃げられただけに、交渉解禁日となる２０日からは三浦の一本釣りに全力を傾ける。

　二兎（と）を追う者は一兎をも得ず。先発投手に飢え、補強へ血まなこになってきた虎だが、最後はことわざ通りの結論へたどり着いた。この日の夕刻、大阪・野田の電鉄本社で開かれた坂井オーナー、南球団社長、沼沢球団本部長による３者会談。席上では交渉解禁となる２０日以降のターゲットを、三浦で一本化することを確認した。

　横浜・三浦、中日・川上とリーグを代表するエース右腕がＦＡ市場に出回った今オフ。当初はダブル獲得も視野に入れ水面下で調査を進めてきたが、川上に関しては最後までメジャー志向の情報ばかりが集まり、国内移籍を示す根拠が得られなかった模様だ。

　阪神は昨年、川上と同様にメジャーへの強い思いを胸にＦＡ宣言した福留に４年総額２０億円の破格条件を提示したが、結論を１２月中旬以降まで先送りすることを伝えられるなど難航。結局、２度目の交渉を待たずに阪神から断りを入れざるを得なかった苦い経験がある。「ノーモア福留」の教訓は球団はもちろん、本社サイドにも深く刻まれている。

　３者会談を終えた坂井オーナーは、これまで上限を設けていなかった獲得資金について「（資金を）気にせずに、というのは言い過ぎ」とトーンダウンした。今季年俸が１億５０００万円の三浦獲得にも、３年総額で１０億円規模の巨費が必要になる。対する川上の今季年俸は３億４０００万円（金額はいずれも推定）。メジャー移籍の可能性が消えない状況下で、用意できる金額ではない。

　狙いは三浦一本に絞った。交渉役を務める沼沢球団本部長も「向こうの都合がよければ、すべての予定を飛ばして動く」と交渉解禁日の２０日に連絡を入れ、交渉のテーブルに着く準備があることを改めて明言した。恋愛と同様、二股（また）はかけずに思いを成就させる。

　◆三浦姿見せず　○…前日（１７日）にＦＡ権行使を表明した三浦は、横須賀・ベイスターズ球場での練習に姿を現さなかった。朝の時点では体を動かす予定を組んでいたが、自宅で休養することにしたようだ。球団広報にも「行くつもりだったけれども、休むことにした」と連絡が入ったという。

参照元：スポーツ報知