長谷川＆粟生に秘密兵器「２階級制覇フック」

【ホノルル（米ハワイ州）１４日】ＷＢＣ世界バンタム級王者・長谷川穂積（２８）＝真正＝、ＷＢＣ世界フェザー級３位・粟生隆寛（２４）＝帝拳＝が “２階級制覇フック”習得に着手した。当地でともにキャンプを行うＷＢＡ世界スーパーフェザー級王者ホルヘ・リナレス（２３）＝帝拳、ベネズエラ＝の得意パンチで予想外の軌道、伸びを見せる一撃を、３月のＶ８防衛＆初世界奪取の秘密兵器にしたい考えだ。

　常夏の島で長谷川、粟生が新兵器の本格習得に着手した。右構えなら左、逆なら右で放つ高速フック。２階級制覇王者リナレス独特の華麗な一撃をイメージしながら、海岸でのランニング、ダッシュ後に黙々とシャドーボクシングに励んだ。「前から打てたらいいなあと思っていた」と長谷川。合同キャンプを張っている絶好のタイミングを逃す手はない。

　大半の選手のフックは体に近い位置にいる選手に対し、円を描くようにしてヒットさせる。だが“２階級制覇フック”はジャブに近いフォーム、タイミングから遠めの位置で当てる、相手が軌道を読むのが難しい、リナレスの得意パンチだ。腕が伸びきるその瞬間に相手に当たるため「リーチをフルに生かせる」と粟生。昨年１０月のＷＢＣ世界フェザー級王者オスカー・ラリオスへの世界初挑戦でダウンを奪ったのはそのフックに近い形だったが、反射的に出たものだったという。「狙って打てるようになれば武器になりますね」と粟生は習得に意欲満々だった。

　もちろん簡単に会得できるものではない。肩、腕、下半身とすべての動きが連動して初めて威力と独特の軌道が生まれるもので、難易度は高い。それでも「あれが打てるようになればすごく楽になる。ものにしたいですね」（長谷川）。３月に昨年１０月に続き、同日世界戦を行う両者は、約２か月間で念願のダブル勝利へ研究を重ねていく。

参照元：スポーツ報知