遼を“見タイ”！遠くバンコクでもフィーバー…９日から欧州アジア対抗戦

　【バンコク（タイ）６日】男子ゴルフの欧州対アジアの対抗戦、ザ・ロイヤルトロフィーは９日から３日間、当地のアマタスプリングＣＣで行われる。史上最年少代表の石川遼（１７）＝パナソニック＝は同日、成田空港発の全日空機で当地に到着した。大会最終日の１１日には、所属契約を結ぶパナソニックの現地法人関係者など約１６０人の大応援団が、そろいの青いＴシャツを着て駆けつけることが分かった。

　石川フィーバーはタイでも続く。タイ全土にグループ２０社、約１万６０００人の従業員を抱えるパナソニックでは、石川がアジア代表に選ばれた昨年１２月から応援の準備を開始。仕事が休みとなる最終日には、現地に約２００人駐在している日本人従業員の８割となる約１６０人の有志がコースへ駆けつけることになった。

　しかも、応援団は同社のコーポレートカラーである青色のＴシャツをおそろいで着用予定。日本から５日、当地に到着した同社の担当者は「みんな石川選手が来るのを楽しみにしています。アジア代表の中にはタイの選手（マークセン、ジェイディ）もいますし、こちらは盛り上がっていますよ」と話した。

　同社は世界４６か国に約３３万人のグループ従業員がいる世界的大企業。前出の担当者は「世界のどこに行っても、石川選手の心の支えになれればと思っています」と続けた。海外での大会期間中には所属選手と幹部クラスとの食事会などを催す企業もあるが、同社は未成年の石川を誠心誠意バックアップするという理念から拘束は一切せず、ロープ外から応援だけを行う“太っ腹”ぶりだ。

　過去２回行われた同大会に同行経験のある日本ゴルフツアー機構の田中謙治広報によると、例年のギャラリーは最終日でも５０００人程度しか集まらない。そのほとんどが地元のタイ人で、残りは欧米からの観光客。日本人は数えるほどの寂しさだという。

０７年マンシングウェアＫＳＢカップでの初優勝以来、常に注目されてきた石川は、まばらな観客の中でのプレー経験がほとんどない。昨年のトーナメントではギャラリーの多い９番や１８番で劇的なプレーを見せることが多く、視線や歓声の多さが成績に比例するともいえる。遠く離れたタイで聞く日本語は、最高のアシストになるはずだ。

　◆過去の日本人出場者と成績　第１回の０６年は倉本昌弘主将の下、日本勢は深堀圭一郎と今野康晴が出場。０７年は尾崎直道が主将を務め、谷口徹と平塚哲二が参加。０８年は谷口と谷原秀人が出場予定だったが、タイ国王の姉の死去で中止となった。開催された２回は、ともに欧州が勝利。

　◆埼玉県が功労賞　○…埼玉県が石川に対し、県にゆかりのある選手を表彰する「彩の国スポーツ功労賞」を贈ると発表した。石川は埼玉・松伏町在住で、上田清司知事は「史上最年少で年間賞金１億円を突破するなど活躍し、日本のヒーローとして夢と希望を与えた」と説明した。県のマスコット「コバトン」の形をしたドライバー用のヘッドカバーも製作中。功労賞の贈呈式で石川に贈る予定で、上田知事は「ヘッドカバーで、さりげなく埼玉を宣伝してほしい」と話した。

参照元：スポーツ報知