遼、日本一でマスターズ決める！世界５０位以内ラストチャンス…日本シリーズ

　男子プロゴルフツアーの今季最終戦、日本シリーズＪＴカップ（報知新聞社主催）は４日から４日間、東京よみうりＣＣ（７０１６ヤード、パー７０）で開催される。注目の石川遼（１７）＝パナソニック＝は２日、練習ラウンドをこなしたが、今大会で優勝すれば、年末の世界ランクが５０位以内に入る可能性が出てきたことが判明。自力でのマスターズ出場が見えてきた。

　消えたはずの夢への切符が見えてきた。来年、マスターズに自力で出場するためのラストチャンスが残されていても、１７歳は冷静だった。「マスターズとか、全英のこととかを考えるのは１０％ぐらい。残り９０％は自分のゴルフの上達を考えたい。うまくなるために戦う」まずは今大会に全力を尽くすことを誓った。

　「狙いたい」という言葉が出ないのも無理はない。１日発表の世界ランクは６６位。年末の世界ランク５０位以内の選手は、自動的に来年のマスターズ出場資格を獲得できるが、６７位だった前週カシオワールドオープン時点での試算では、残り２試合で優勝と４位が必要だった。だが、世界ランキングに詳しいツアー関係者は「今週、優勝すれば滑り込む可能性が出てきた」と明かした。

　２週前から前週終了後までの世界ランク５０位のポイントは０・０３下降。昨年も５０位のポイントはダンロップフェニックス後から１２月最終週までの５週間で２・３８から２・２９と０・０９も下降した。オーストラリア、アジアツアーなど終了していない地域で５０位前後の選手が活躍すればラインが上がる可能性もあるが、今週優勝してポイントを加算すれば、“無条件”で夢の舞台に立てる５０位以内に入る可能性が出てくる。

　また、全英オープン出場も圏内だ。現時点の石川の獲得賞金は１億２４１万８１６６円。全英には国内ツアーの賞金ランク上位２人（有資格者を除く）が出場できるが、１位の片山はすでに日本オープン優勝で資格を得ているため、今季の賞金ランク３位までが出場。１億２４１万８１６６円の石川と、１億２３３９万７４９２円の３位マークセンとの差は約２０９８万円。石川が優勝し、マークセンが３位以下に沈めば、全英出場が当確となる。

　石川はこの日、アウト９ホールだけの練習ラウンドをこなしたが、出場人数が少ないとあって思い通りに調整。ドライバーも引き続き好調だ。「３日目までは（優勝を）意識せず淡々とプレーして、最終日に意識できる位置で戦いたい」とＶへの予想図を思い描いた石川。国内メジャー初制覇を果たせば、海外メジャー出場への扉も開く。

　◆世界ランク算出方法　過去２年間の獲得ポイント（点）を出場試合数（最低４０）で割り、数字の多い選手が上位。優勝者には４大メジャー１００点、米ツアー２４点、日本ツアー１６点（最新結果を反映させるため、得点は獲得試合の１３週後から徐々に減少）が与えられる。出場者に世界ランク上位者が多く含まれる場合は、点が割り増しになる。石川は現時点で３１試合しか出場していないことから、好成績を出せば、ほかの選手より点が上がりやすくなる。

　◆マスターズ出場条件　〈１〉歴代優勝者〈２〉前年大会から大会前週までの米ツアー優勝者〈３〉年末の世界ランク５０位以内〈４〉大会前週の世界ランク５０位以内など１８のカテゴリーのほか、〈５〉マスターズ委員会からの特別推薦がある。石川が出場する可能性があるのは、現時点で〈３〉、〈４〉、〈５〉になる。

参照元：スポーツ報知