遼、史上最年少賞金シード確実…長嶋茂雄招待セガサミーカップ最終日

◆男子プロゴルフツアー　長嶋茂雄招待セガサミーカップ最終日（２７日、北海道・ザ・ノースカントリーＧＣ、パー７２）　石川遼（１６）＝パナソニック＝が今季最高の３位に食い込み、来季の史上最年少賞金シード獲得が見えてきた。２３位から６バーディー、１ボギーの６７をマークして通算９アンダー。長嶋茂雄大会名誉会長（７２）＝巨人軍終身名誉監督＝とも感動の初対面を果たした。優勝はジーブ・ミルカ・シン（３６）＝インド＝で、４位から７バーディー、１ボギーの６６で１３アンダーとし、２位のすし石垣（３４）＝ゴルフパートナー＝を２打かわし２年ぶりの勝利を挙げた。

　地鳴りのような歓声を受けて石川が跳んだ。１８番パー５、残り２６５ヤードで３ウッドを振り抜くと、ボールは向かい風を切り裂き２オンに成功。「本当にうれしかった。自分でも鳥肌が立った」。目いっぱいのジャンプを２度繰り返し、右拳を振り下ろして喜びを表した。

　１番パー４でドライバーショットを大きく右のブッシュへ曲げた。だが幸運にもライが良く、残り１２０ヤードをピンそば１５センチにつけてバーディー。その後もリーダーズボードを駆け上がり、５つ目のバーディーを奪った１０番では首位に２打差の２位に迫った。「ドライバーが良かったおかげ。最終日に一番いい成績が出たのは自信になる」。

　優勝した昨年のマンシングウェアＫＳＢカップ最終日と同じ白いシャツに赤いパンツのコーディネートを初見参の北海道で披露した。奇跡の再現はならなかったが、開幕戦の東建ホームメイトカップ５位を上回り、「マンシング―」以後で最高の３位。初日の６３位から毎日順位を上げたのは「マンシング―」以来で、通算ストローク２７９も今季最少だった。

　プレー後は１８番脇の観覧席に招かれ、白いスーツ姿の長嶋大会名誉会長と初対面。手をさしのべられ握手を交わすと、隣の席に座るよう促されたが、どんな状況でも物おじしない１６歳が、何度も頭を下げ激しく恐縮した。「オーラがありました。あの目立つ服が違和感なく似合っていた。自分も将来、５０歳近く年が離れていても子供があこがれるような人間になりたい」と声を震わせた。

　３１日からは同じ北海道でサン・クロレラクラシック（小樽ＣＣ）に臨む。確かな実績を残した石川が、北の大地で再び舞う。

　長嶋茂雄大会名誉会長「石川遼選手も１６歳という年齢ながら、多くのギャラリーを引き連れてもプレッシャーに負けることなく、アグレッシブですがすがしいプレーを北海道のギャラリーに見せてくれました」

　◆ジーブ・ミルカ・シン　１９７１年１２月１５日、インド生まれ。３６歳。陸上短距離の五輪選手だった父の影響で１１歳の時にゴルフを始める。高校卒業後、米国へゴルフ留学。９３年世界アマ代表。欧州ツアーを主戦場とするが、２００６年カシオワールドで日本ツアー初優勝。昨年はインド人として初めてマスターズに出場し３７位に。得意クラブはドライバー。１８０センチ、７７キロ。

参照元：スポーツ報知