室伏「生涯最高」五輪連覇へ「動きは非常にいい」

陸上男子ハンマー投げのアテネ五輪金メダリスト室伏広治（３３）＝ミズノ＝が２７日、北京五輪前最後の実戦となる「第２回ハンマー投げチャレンジカップ」（愛知・中京大陸上競技場）に出場し、８０メートル３４で優勝した。練習の疲れから８０メートル超えは１本だけだったが、五輪に向け“生涯最高”の状態で臨める予感があることを宣言。試合後の同大主催の壮行会でも好結果を約束した。

　ベスト宣言だ。室伏は「今までの大きな大会の中で、一番いいところ（状態）まで持っていける可能性があると思います」と力強く予告。シドニー、アテネに続く３度目の五輪を、過去最高のコンディションで迎えられるとの予感を示した。

　五輪前最後の実戦。２投目で８０メートル３４を記録したが、残り５投はすべて８０メートルに届かなかった。だが、これは練習疲れの影響。コーチの父・重信氏によると、２１日に同じ場所で行われた大会の翌２２日午後に加え、２３日も午前午後と投げた。試合後に２日続けて投てき練習をするのは異例中の異例。「動きは非常にいいと言っていいと思います」中５日で、追い込み練習の疲れが残る中での８０メートル超えは、逆に自信につながった。

ベストの予感は、本人の手応えだけでなく、数字も示す。五輪前最後の実戦を終えた段階でのシーズン世界ランクは、シドニー前が９位、アテネ前は５位。今回は初めてメダル圏内の３位につけた。世界との事前力関係でも過去最高だ。

　「順調にきてます」と笑顔の息子・広治に、父も「残り期間でレベルアップしていけば、一番上のメダルも狙える」と連覇に太鼓判を押した。予選は８月１５日。室伏は最高に仕上がった状態で北京のサークルに入る。

　◆中京大の学生がユニークな応援　○…試合後に競技場で行われた壮行会には、中京大の学生ら約３００人が参加。室伏の“場外ホームラン級”の投てきを願い、学生の音頭により「かっせ、かっせ、かっとばせー！　室伏！」と球児を送り出すようなユニークなエールが送られた。学生のサイン攻めにあった室伏は「いい報告を持って帰ります」と約束していた。

参照元：スポーツ報知