把瑠都吹き飛ばした！白鵬ついに一人旅…九州場所１１日目

◆大相撲九州場所１１日目　○白鵬（送り出し）把瑠都●（１９日・福岡国際センター）　横綱・白鵬が綱の貫禄で、８連勝と絶好調の関脇・把瑠都を全く寄せつけず送り出し。１敗で並んでいた平幕の雅山に土が付いて、ついに優勝争い単独トップに立った。１２日目には大関昇進を目指す関脇・安馬と対戦。綱の誇りをかけて大関取りへの壁になる。

　白鵬が“怪物”を退治してＶモードに入った。１９８センチ、１７７キロの巨漢・把瑠都戦。立ち合いでもろ差しになると、一気に前へ。圧力負けした相手が後ろを向くと送り出した。驚異のパワーで台風の目となっていた把瑠都に何もさせず、１敗死守。優勝争いの大本命が単独トップに立った。

　先場所は料理するのに１分２秒５かかった相手を、４秒７で下して通算４００勝達成。「先場所のこともあるし立ち合いから集中した。疲れもありますが、うまく調整している」初日は取りこぼしたが、２日目から１０連勝。相撲内容は日を追うごとに上向き、武蔵川理事長（元横綱・三重ノ海）も「状態が良くなってきている。今日の相撲は今場所で一番いい」と太鼓判を押した。

　この日の福岡市は、２５年ぶりに１１月に初雪を観測するほどの寒さに襲われた。腰痛持ちの白鵬には厳しい季節を迎えたが、執行（しぎょう）稔トレーナー（４１）は「痛みはないです。寒くなる１１月から１月に痛みが出ないのは、体調がいい証拠」と話す。場所中は、ほとんど外食せず、食事に出かけても２次会は回避して体調管理を優先している。「すみません」と誘い自体を断ることもあるという。育ての親・熊ケ谷親方（元幕内・竹葉山）は「ご飯も４杯食べるし、取組を終えて帰ってきても表情が明るい。体調がいい」と話した。

　１２日目は大関取りに挑んでいる安馬と対戦する。場所前には一緒に食事するなど仲がいいが、手加減するつもりはない。「いい流れで相撲を取りたい」２敗の安馬に土を付ければ、「優勝」の２文字がはっきりと見えてくる。

参照元：スポーツ報知