興毅ドタバタ世界戦決定！デンカオセーンふた股交渉

プロボクシングＷＢＡ世界フライ級王者デンカオセーン・シンワンチャー（３２）＝タイ＝への挑戦を巡り、ドタバタ劇が繰り広げられた。亀田ジムは１３日、都内で同級２位の亀田興毅（２２）が６月上旬に挑戦することを正式発表。しかし、王者陣営が同級８位の升田貴久（２９）＝三迫＝と４月の対戦で一時は合意したことが発覚。事態を重く見た升田陣営が引く形でとりあえずは収束したが、王者サイドの“二重契約疑惑”で大混乱に陥った。

　デンカオセーンへの挑戦を巡り大混乱が生じた。以前から交渉が順調だったことを明言していた亀田陣営が正式決定を発表。ところが同日に升田が４月に対戦することで一時は合意したことが発覚した。亀田ジムの五十嵐会長はあくまで初防衛戦の相手として興毅が挑戦する契約であること、そして契約に不備がないことを主張。報道陣に１月中旬に交わしたというサイン入り契約書を公開した上で「向こう（王者陣営）にも確認したが問題ないとのことだった」と正式発表の経緯を明かした。

　一時は升田も１４日に発表する構えだったが、事態を重く見た陣営がこれを撤回。身を引いたことで収束したが升田陣営も初防衛戦の相手という認識だったため亀田ジム側の主張が事実なら、危うく“二重契約”となるところだった。

　原因はタイのマネジャーと選手間の契約の特殊事情によるもの。１人の選手を複数マネジャーがプロモートするケースが多く、デンカオセーンも例外ではなかった。今回は亀田陣営がナリス氏、升田陣営はニワット氏が担当。王者陣営が複数の窓口を持っていたことと、意思疎通の欠如が招いた混乱だった。１２日に来日していたニワット氏とデンカオセーンは１４日に緊急会見を開き、事情説明と今後の方針を表明するとみられる。

　二転三転する異例の事態に興毅は「ビビッてんとちゃうの。正直、オレとはレベルが違うと思ってる。試合をやれば分かるよ」と、あきれ顔で久々の“ 亀田節”をさく裂させた。３月４日の世界前哨戦（さいたまスーパーアリーナ・コミュニティーホール）後に迎えることになる約２年半ぶりの世界戦は思わぬ遺恨がぼっ発する形となった。

参照元：スポーツ報知